「左遷された」と聞くと、会社が不利益を被るような失態を犯したと思うかもしれない。しかし、業績を上げたにもかかわらず、なぜか左遷される人がいる。
埼玉県の50代女性は以前介護施設の管理者として働いていた。仕事を始めてすぐのこと。
「エリアマネージャーが1ヶ月以上音信不通になり、管理者なりたての私は頼る所がなくその上の室長や人事や経理などに聞きながら管理者業務を行いました」
しかし、人一倍頑張った女性に待っていたのは、無茶な異動命令だったという。(文:林加奈)
「降格、または1時間30分かかる千葉県への異動、または退職」を迫られた
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エリアマネージャーが音信不通になっている間、前管理者からの引継ぎもあったという。しかし、聞いている途中でどこかへ離れてしまうため、結局はあまりあてにならなかったようだ。働き方は過酷なものになった。
「介護業務をしながら時間外に管理者業務をこなしていました。毎月もう一人分働くような時間をこなし、独り立ちした時には60%の稼働から80%の稼働に2か月で上げました」
ここでいう「稼働」とは、施設の居室の稼働率のことで、高いほど収益が上がる。女性は施設の収益向上に貢献したのだ。ところが、いつの間にか戻っていたエリアマネージャーは、これを評価しなかった。
「エリアマネージャーは良しとせず、私を異動させるために『残業が多いから生活相談員に降格、または1時間30分かかる千葉県への異動、または退職』を言い渡しました。私より残業が多く稼働が低いところはあります。それなのになぜ?ただ、辞めさせたかっただけ」
音信不通だったエリアマネージャーは、女性の実績を妬んだのだろうか。なぜか引きずり下ろすような不当人事を仕掛けてきた。ちなみに女性いわく、このエリアマネージャーは休んでいる間「酒におぼれていた」とのこと。だが、会社が自分よりもそんなエリアマネージャーを選んだことに、怒りをあらわにしていた。
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「エリアマネージャーの一言でコロコロ変わってしまうことに納得はいきません。今は千葉県流山から松戸、埼玉県草加と異動させられそうになっています」
人材不足の介護業界。こうして貴重な人材を不遇な状況に置くことに、何の意味があるのだろうか。
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