今回は、60歳から5年間、月収12万円で厚生年金に加入しながら働いた場合、将来もらえる年金はどのくらい増えるのかについてです。
Q:60歳から65歳になるまで、月収12万円で、厚生年金保険料を納めると、受け取る年金はどれぐらい増える?
「60歳から65歳になるまで、月収12万円で、厚生年金保険料を納めると、将来受け取る年金はどれぐらい増えますか?」(59歳・男性)A:老齢厚生年金が年額4万1537円、多く受け取れます
老齢厚生年金の受給額は、厚生年金加入期間と、加入期間中の平均的な給料等(報酬比例部分)によって計算されます。老齢厚生年金(報酬比例部分)の受給額は、本来水準と従前額保障の2つの計算方法があります。毎年、この両方の計算方法で計算して、高いほうを支給することになっています。今回は、従前額保障の計算式を用いて計算することにします。従前額保障の計算式は次の通りです。
・平成15年4月からの期間:平均標準報酬額(月給+賞与)×5.769/1000×平成15年4月以降の厚生年金加入期間
(上記の乗率は、昭和21年4月2日以降生まれに適用)
では、相談者が60歳から65歳になるまで、平均標準報酬額12万円(賞与なし)で、5年間(60カ月)働くケースで計算したいと思います。
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12万円×5.769/1000×60カ月≒4万1536.8円(年額)
このように、60歳から65歳になるまで、平均標準報酬額12万円で、厚生年金保険料を納めると、年額およそ4万1537円増額された年金を毎年受け取れることが分かります。
なお、60歳以降も厚生年金に加入して働くと、在職老齢年金制度により、給与収入の金額によって、老齢厚生年金の一部また全額支給停止されることがあります。支給が停止される基準額は50万円。60歳以前にも厚生年金加入期間があり、年金を繰上げ受給する予定がある場合はご注意ください。
※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません
※経過的加算は考慮していません
※年金額と給与額は額面で計算しています
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)