井筒屋は、駅弁事業を3月20日をもって終了すると発表した。
同社は1854年に創業した老舗で、東海道線が全線開通した1889年からは米原駅で駅弁を販売している。唐草模様の風呂敷に包まれ、季節によっておこわの具が変わる「湖北のおはなし」などの名物駅弁がある。
井筒屋では、「旅のお供であるべき駅弁とは何か、その土地ならではの駅弁とはどういったものかを思い巡らせ「味をえらび 味をととのえ 味ひとすじに」納得いただける商品をお届けしたいと、日々励んでまいりました。しかしながら、昨今の食文化は娯楽化がもてはやされ、誤った日本食文化の拡散、さらには食の工業製品化が一層加速し、手拵えの文化も影を潜めつつあります。そのような環境に井筒屋のDNAを受け継いだ駅弁を残すべきではないと判断致しました。加えて、米原はもはや交通の要衝ではなくなった現在、構内営業者としての井筒屋の役割も十分に果たすことができ、業績を残すことができたと思っております。時代の変遷に振り回されることなく、井筒屋らしく、とるべき道を選び、令和7年3月20日をもちまして、駅弁事業からは撤退致します」としている。
なお、注文は2月28日納品分をもって終了する。
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