受験に失敗し、いわゆる「Fラン」と呼ばれる大学に入学したAさんは、就職活動で厳しい現実を味わいます。希望する企業からは次々と不採用通知が届き「やっぱり学歴フィルターはあるんだ…」と痛感します。それでもなんとか内定を獲得したAさんは、悔しさをバネに、入社した中小企業で必死に働くことを決意しました。
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それから10年が経ち、Aさんは真面目に仕事へ打ち込み驚くべき成果を上げていきます。新規顧客の開拓や革新的なマーケティング戦略の立案など、Aさんの功績は社内で高く評価されるようになりました。
そんなある日、Aさんは転職サイトに登録してみることにしました。すると驚くべきことに、登録からわずか数日でAさんのもとに複数の企業からオファーが殺到しました。その中には、かつてAさんを不採用にした大手企業も含まれていたのです。
10年前には門前払いだった企業が、今では破格の条件でAさんを迎え入れようとしているのです。しかしAさんはかつての屈辱を思い出すと、その企業への入社を躊躇せざるを得ませんでした。
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熟考の末、Aさんは大手企業のオファーを辞退し、より魅力的な条件を提示してきたベンチャー企業へ転職しました。新しい職場ではAさんの実力が存分に発揮され、学歴ではなく実績と能力で評価される環境に、Aさんは大きなやりがいを感じました。
Aさんの転職先のように、学歴よりも実績や能力で評価する企業は増えてきているのでしょうか。実際に転職市場で学歴はどの程度考慮されるのか、キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。
ー転職市場でも学歴は考慮されるのでしょうか
採用のルールとして、実際に学歴を採用判断の一要素としている企業は存在します。
新卒時点と比べると、それまで働いてきた実績がある分、中途採用の場合は学歴へのウェイトは低くなります。ただ過去に中途採用で失敗した経験のある企業だと、内々で「〇〇大学以上」という条件を設定している場合もあるようです。
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とはいえ、Aさんのように受験で失敗したことを糧にして入社後に成果を出せば、転職時に逆転することは十分可能です。逆に、学歴にあぐらをかいて入社後に努力せず、転職市場では価値が無いと判断せざるを得ない人もいます。
◆七野綾音(しちの・あやね)キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。
(まいどなニュース特約・長澤 芳子)
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