Juju「あの時の悔しい気持ちを今年につなげて、ぶつけていく」。紆余曲折で掴んだ自チームでの2年目のチャンス

　2025年の全日本スーパーフォーミュラ選手権にまったくの新規参戦チームとなるTriple Tree Racingから参戦することとなった、18歳の現役女子大生でもあるJuju（野田樹潤）。スーパーフォーミュラ2年目の挑戦は父である野田英樹監督のもと、自チームと言える体制で戦うことになった。1月15日に行われた記者会見では、昨年の最終戦から紆余曲折あった2年目のシート獲得までの心境、そして2年目の決意を語った。

「スーパーフォーミュラに参戦する前から“3年計画”で（当初参戦したチームと）話をしていたので、昨シーズンの段階から『2年目もやるというつもり』でいろいろなことを学んできました」とJuju。

　2024年シーズンはTGM Grand Prixからスーパーフォーミュラデビューを果たし、全9戦を戦ったJuju。当初の予定では2年目も継続して参戦する方向で話を進めていたようだが、TGMが大幅に方針転換をしてチームとして参戦しないことになり、2025年に向けたシートの目処が立っていない状態で、シーズンオフに突入。

「最終戦の直前に、もともと一緒にやっていたチームで継続参戦するのは難しいという話を聞いた時は『この最終戦はどこに向かって頑張っていけば良いのかな？』という思いもありました」と、当時の心境を明かした。

　昨シーズンの終盤には、他のカテゴリーでチャンスを掴むのではないかという噂も聞こえており、実際にフォーミュラEやスーパーフォーミュラ・ライツへの参戦についても検討したことをJuju陣営は会見で明らかにしたが、Juju本人としては“継続してスーパーフォーミュラに参戦すること”がベストの選択肢として気持ちが固まっていたようだ。

「もちろん、どのシリーズに参戦することになったとしても昨年の経験は活きると思いますけど、自分が一番学んだことを活かせるのはスーパーフォーミュラに出ることだと思います。今年もこうして参戦できるということは恵まれているなと感じています」

「でも、これまでも『来シーズンの参戦が決まっていたらからこれまで頑張ってきたのか？』というわけではなくて、来シーズンのシートが決まっていなくても、自分自身が頑張ることに変わりはないし、来シーズンが決まっていないからこそ、自分が今できるベストを尽くすことで、また新しいチャンスが生まれるのではないかなという思いで最終戦を走りました。その想いをマネジメントチームが受け取ってくれてつないでくれたことには、本当に感謝しかないなと思います」と、新規チーム立ち上げに対しての感想を語った。

　2024年12月に行われたファンミーティングでは「2025年のスーパーフォーミュラ参戦はかなり厳しい状態にある」と話していたものの、12月11日・12日に鈴鹿サーキットでの合同テストの現場を訪れ、おそらく水面下で様々な交渉が行われていたと思われる。

　そこで他のドライバーたちは2025年に向けて周回を重ねていく姿を目の当たりにしたJujuは「悔しい思いでいっぱいでした」と心中穏やかではなかったようだ。

「実際にサーキットにも行って、他のライバルが走っているところも目の前で見ました。本当に悔しくて『なんで走れていないんだろう』という気持ちもありました。あの時の悔しい気持ちを今年につなげて、ぶつけていこうと。今年も開幕戦のグリッドに並ばせてもらえるので……あの悔しさは忘れてはいけないなと思います」

　新規チームということで、人材だけでなくレースで必要な機材の確保など開幕戦までに越えなければいけないハードルが多い状況ではあるが、ひとまず2年目の参戦が決まったということで、会見では笑みが溢れていたJuju。2025年シーズンの目標については、このように述べた。

「2年目の目標は昨年以上の結果を残すというのはもちろんですけど、具体的にいうと（予選で）Q2進出というのが目標ではあります。レースではポイント圏内であるトップ10に入れるところを目標にしたいです」

「ただ、新規チームということもあります。チームとしても私としても未知の部分はたくさんあります。その点で、こういう明確な目標を立てるのは難しいかもしれないですけど、昨年と同様に自分自身どんな状況であれベストを尽くして、そのなかで出せるベストの結果を出していくというのが、自分がやるべきことなのかなと感じています」

　なお、2024年はヨーロッパのBOSS GPにも並行して参戦していたが、今のところ2025年はスーパーフォーミュラ以外のレース出場に関しては未定とのこと。それでも、ヨーロッパでレーシングカーに乗って練習する機会は作っていく予定だという。