しかし、自転車は便利である一方、万が一の事故に備えた対策も必要です。今回は、自転車保険に加入した場合の保険料についてご紹介します。
2023(令和5年)における交通事故の発生状況でシニア世代の事故割合は「60.1%」
警察庁が発表したデータによると、自転車乗用中の死者数のうち65歳以上の割合は60.1%と高く、自転車利用時のリスクが顕著です。特に、死因の約半数が「頭部の損傷」によるもので、その約9割がヘルメットを着用していないケースでした。ヘルメット非着用時の致死率は着用時の約1.9倍にもなります。2024年4月から、自転車利用時のヘルメット着用が全国で努力義務化されています。事故のリスクを減らすためにも積極的にヘルメットを着用しましょう。また、自転車事故は自分のケガだけでなく、他人に損害を与える可能性もあるため、自転車保険への加入も重要です。
シニア世代が自転車保険に加入するときの保険料はどのくらい?
次は、シニア世代が加入する自転車保険についてみていきましょう。
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その場合、年齢の上限よりも若いうちに契約していれば、70歳以上でも契約を更新できるところが多いようです。しかし、補償内容の一部が制限されることもあるため注意が必要です。
今回は、70歳以上の方でも新規で申込みができる自転車保険で保険料を確認してみましょう。
●S社
・被保険者本人の年齢:加入可能年齢制限なし
・賠償責任補償の対象となる事故:自転車事故のみ
・保障内容など:賠償責任補償(1億円)示談交渉あり
・保険料:1670円(年払い)
●A社
・被保険者本人の年齢:70歳から89歳
・賠償責任補償の対象となる事故:自転車事故+日常生活の賠償事故
・保障内容など:賠償責任補償(2億円)示談交渉あり
・ケガの補償の対象となる事故:自転車事故+その他交通事故
・死亡・後遺障害保険金:死亡保険金200万円(死亡保険金400万円※)
・入院一時金:2万円(4万円)
・保険料:7780円(年払い)
※自転車事故の場合の保険金額。ヘルメット着用中死亡:100万円、法律相談費用:5万円、弁護士費用など:300万円
S社とA社では加入年齢、補償範囲、補償額が違うこともあり、保険料に約5倍の差があります。
自転車は便利な移動手段ですが、ひとたび事故が起これば、自分自身のケガだけでなく、相手への賠償責任という大きな問題に直面する可能性があります。保険選びでは、単に保険料の安さだけでなく、補償範囲や内容の充実度に目を向け、自分のライフスタイルやリスクに合ったものを選ぶことがポイントです。
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文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー)
3匹の保護猫と暮らすファイナンシャルプランナー。会計事務所、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として勤務後、FPとして独立。人と比較しない自分に合ったお金との付き合い方、心豊かに暮らすための情報を発信しています。
(文:舟本 美子(ファイナンシャルプランナー))