前人未踏の3連覇がかかるTOM’Sと坪井。「記録を残せるチャンス」へ山下と精力的にテストをスタート

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2025年01月23日 21:00  AUTOSPORT web

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2025スーパーGTセパンウインターテスト サーキット入りする山下健太、坪井翔
 1月19日から、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われているスーパーGTのウインターテスト。今シーズン開幕に向けた本格的なテストの始まりとなったが、2024年にGT500クラスでチャンピオンを獲得したTGR TEAM au TOM'Sの坪井翔/山下健太のコンビにとっても、3連覇に向けたシーズンへの幕開けとなった。

 2024年、最終戦となった第5戦鈴鹿では予選でポールポジションを獲得し、チャンピオンを決めたau TOM'S GR Supraの坪井/山下のコンビ。シーズンを通じて強さをみせTGR TEAM au TOM'Sと坪井にとっては連覇、そして山下健太にとっては2019年以来となる2回目のチャンピオンとなった。

 迎える2025年に向け、ふたりはセパンで行われたウインターテストでシーズン開幕に向けた走行をスタートさせた。TGR-D開発車両の90号車GRスープラGT500を、まずはふたりが中心になってドライブ。2日目以降は別のドライバーたちも加え、新シーズンに向けた開発を始めた。

■3連覇に向けた“最初で最後のチャンス”
 そんな2025年、TGR TEAM au TOM'Sと坪井にかかるのは、JGTC全日本GT選手権/スーパーGTの歴史で一度もない『3連覇』という偉業だ。坪井は2024年のタイトル獲得で本山哲、脇阪寿一、立川祐路というシリーズを代表する偉大なドライバーたちと同じ『3度のチャンピオン』に並んだ。上にいるのは、4回のチャンピオンであるロニー・クインタレッリのみ。そのクインタレッリでも達成したのは連覇(2011〜12/2014〜15)のみ。3連覇は果たせていない。

「2回までのチャンピオンは多くても(9名)、3回以上は僕を含め5人しかいないんですよね。その中に入ることができたのは大きいですし、もう一度獲ればトップに並ぶことができるので、そういう意味でも今年は獲りたい気持ちは大きいですね」とセパンで坪井に聞くと、3連覇という目標に向けて力強く語った。

 もちろん、3連覇というターゲットは、まずは連覇がなければ目指せない。「記録を残せるチャンスだと思っていますし、これを逃したら3連覇を目指せるチャンスはそう簡単にやって来ないと思うんです」と坪井は語った。

「たぶん、僕のレース人生においては最初で最後なのではないかと。スーパーGT(GT500クラス)は長くても40歳過ぎくらいまでしか乗れないと思いますし、あと10年くらいはありますが、そこまで乗れるかも分からないですからね。“最初で最後のチャンス”だと思っているので、チャンスがある以上獲りにいきたいです」

「もし3連覇することができれば、TOM'Sとしても、僕個人としても歴史に名を残すことができると思います。また4回目のタイトルになるので、ロニー(クインタレッリ)さんに並ぶチャンスですからね。ロニーさんが引退されて数字が伸びることはなくなったので、並ぶチャンスですし、スーパーGTの歴史に名を刻めそうですからね」

■山下健太「簡単にはいかない」開幕へ向け準備進める
 ただ、いくらここ2年のTGR TEAM au TOM'Sが強力であるとはいえ、そう簡単に進まないのがスーパーGTの難しさ。「今シーズンは昨年から大きくルールが変更されているわけではないですし、開発も凍結されているので、いじることができる幅は少ないと思っています。その点ではマージンがあるかな、と思いながらも、今年はこのセパンでレースもありますし、初日のタイムを見ても他メーカーが速いですからね。昨シーズンまでのようにはいかないと思っています」と坪井は語った。

「僕たちGRスープラ勢もステップ・バイ・ステップで進化しないと抜かれてしまうと思いますし、テストでみんながどんなメニューなのか分かりづらく、正直タイムが分かりませんが、昨年よりも良いGRスープラにできるよう、しっかり開発に貢献できるようにしたいです」

 そしてその思いは山下も同じ。「もちろん連覇を狙っていますし、チーム、坪井選手にとっては3連覇がかかっているシーズンです。今までないことですし、実現できればすごいことだと思うので、それに貢献したいと思っています」と2025年に向けて語った。

 ただ、それが簡単なものではないことは山下も同じく自覚している。「2024年最終戦の鈴鹿のときは、意外とGRスープラが良くなかったイメージがあるんです。自分たちもけっこう追いつめられましたし、自分たち以外のGRスープラ勢では14号車(ENEOS X PRIME GR Supra)が6位が最上位だったと思うんです。今シーズンに向けて大丈夫かな、ライバルが速くなっているな、という雰囲気を感じていました」と山下は語った。

「だから引き締めていかないと。簡単にはいかないと思っています」

 前人未踏の3連覇が達成されるのか否か。2025年の大きな注目ポイントのひとつだが、今シーズン第3戦の舞台として復活するセパンサーキットで精力的に走り込んでいた坪井と山下からは、その目標達成が簡単なものではないことが感じられた。

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