1月19日から、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われているスーパーGTのウインターテスト。今シーズン開幕に向けた本格的なテストの始まりとなったが、2024年にGT500クラスでチャンピオンを獲得したTGR TEAM au TOM'Sの坪井翔/山下健太のコンビにとっても、3連覇に向けたシーズンへの幕開けとなった。
2024年、最終戦となった第5戦鈴鹿では予選でポールポジションを獲得し、チャンピオンを決めたau TOM'S GR Supraの坪井/山下のコンビ。シーズンを通じて強さをみせTGR TEAM au TOM'Sと坪井にとっては連覇、そして山下健太にとっては2019年以来となる2回目のチャンピオンとなった。
■3連覇に向けた“最初で最後のチャンス” そんな2025年、TGR TEAM au TOM'Sと坪井にかかるのは、JGTC全日本GT選手権/スーパーGTの歴史で一度もない『3連覇』という偉業だ。坪井は2024年のタイトル獲得で本山哲、脇阪寿一、立川祐路というシリーズを代表する偉大なドライバーたちと同じ『3度のチャンピオン』に並んだ。上にいるのは、4回のチャンピオンであるロニー・クインタレッリのみ。そのクインタレッリでも達成したのは連覇(2011〜12/2014〜15)のみ。3連覇は果たせていない。
■山下健太「簡単にはいかない」開幕へ向け準備進める ただ、いくらここ2年のTGR TEAM au TOM'Sが強力であるとはいえ、そう簡単に進まないのがスーパーGTの難しさ。「今シーズンは昨年から大きくルールが変更されているわけではないですし、開発も凍結されているので、いじることができる幅は少ないと思っています。その点ではマージンがあるかな、と思いながらも、今年はこのセパンでレースもありますし、初日のタイムを見ても他メーカーが速いですからね。昨シーズンまでのようにはいかないと思っています」と坪井は語った。
ただ、それが簡単なものではないことは山下も同じく自覚している。「2024年最終戦の鈴鹿のときは、意外とGRスープラが良くなかったイメージがあるんです。自分たちもけっこう追いつめられましたし、自分たち以外のGRスープラ勢では14号車(ENEOS X PRIME GR Supra)が6位が最上位だったと思うんです。今シーズンに向けて大丈夫かな、ライバルが速くなっているな、という雰囲気を感じていました」と山下は語った。