● こちらの真っ赤なクルマ、イタリア車っぽいエモーショナルな見た目をしていますが、実はトヨタ自動車のクルマです。けっこう希少な存在なのですが、車名がわかりますか?
生産期間が短かったクルマです
こうして見るとなかなかカッコいいのですが、発売当時はクルマのトレンドがセダンからミニバンへと移り変わるころで、あまり人気が出ませんでした。
――正解は次のページで!● ○問題をおさらい!
正解はこちら!
○【答え】トヨタ自動車「ヴェロッサ」
答えは“迷車”とも呼ばれたトヨタのセダン「ヴェロッサ」(Verossa)です。
ヴェロッサは「チェイサー」および「クレスタ」の後継車として2001年7月にビスタ店から発売されます。ちなみに「ヴェロッサ」という車名は、イタリア語の「Vero」(真実)と「Rosso」(赤)を組み合わせた造語。イタリアを意識した名前になっています。
ヴェロッサが迷車と言われるのは、セールス面で「迷宮入り」してしまったことや、デザインに対する「迷い」が感じられることなどが理由です。
デザインは車名の通りイタリアを意識しており、「まるでアルファロメオのようだ!」という意見もあるのですが、先代のチェイサーなどに比べるとあまりにも奇抜で、万人受けする姿とは程遠いと言わざるを得ません。
さらに深い沼へと足を踏み入れてしまったのが、特別仕様車の失敗です。販売不振からの逆転を狙って専用色のスーパーレッドを採用した「20 セレチオーネV」やヤマハチューンのエンジンを搭載した「VR25 SG スペチアーレ」などの特別仕様車を追加しますが、状況は好転しませんでした。
そうこうしているうちに、ビスタ店のネッツ店への統合が決まります。ヴェロッサは他モデルのようにネッツ店へと引き継がれることなく、2004年4月にビスタ店もろとも廃止されてしまいます。つまり、ヴェロッサはわずか2年8カ月で販売終了となってしまったのです。
2000年代前半は、4ドアセダンからミニバンへと急速にトレンドが変化した時期であったため、いくらトヨタと言えども時代に逆らうことはできませんでした。そういった意味では、ヴェロッサはそんな"過渡期の時代"を象徴するモデルと言えるかもしれません。
今回の車両のヴェロッサ(写真のクルマ)についても少し紹介させていただきます。グレードは280psを発揮する「1JZ-GTE型」エンジンを搭載する「VR25」で、そこに純正のフルエアロと車高調(車高調整式サスペンション)を装着しています。ボディカラーはとても希少な「スーパーレッドV」ですので、イタリアンな雰囲気がさらに引き立ちます。さらにサンルーフを装備していて、修復歴ももちろんありませんので、早い者勝ちと言えるでしょう。
なお、この車両は「ガレージカレント直販センタ」にて購入できます。
ガレージカレント直販センタは「旧車王」の運営元であるカレント自動車株式会社が展開する販売店のひとつです。国産スポーツカーを中心としたネオクラシック名車の専門店で、お客様から買い取ったばかりの新鮮なおクルマをリーズナブルな価格でご提供しています。
それでは、次回をお楽しみに!
○監修: 旧車王(https://www.qsha-oh.com/)
「旧車王」は20年以上の実績を誇る、全国出張型の旧車専門の買取サービスです。スポーツカーや特殊なモデル、希少車も多く取扱っております。旧車王の特徴は、お客様の愛車を査定ではなく「鑑定」し、高価買取を実現していることです。「鑑定」とは、年式や走行距離、グレードだけでなく、機関系の状態や足回りの状態、下回りの錆やステアリングの状態、車台番号とエンジン番号の確認などさまざまな情報をもとに旧車の価値を見極めることです。また、車輌そのものの状態だけではなく、お客様の愛車に対する想いまでを汲み取り、買取金額に反映いたします。大事なおクルマを責任をもってお預かりし、長い歴史が刻まれた旧車を「自動車文化遺産」として次世代へつないでいくため、次のオーナー様へと橋渡ししております。()