写真 今年、DOMOTOへの改名を発表しているKinki Kids。そんな彼らが改名前ラストとなるコンサート「Kinki Kids Concert 2024-2025 DOMOTO」の東京ドーム公演(1月12日〜13日)を開催した。’24年12月末、自身のYouTubeチャンネル生配信で、「自分達の手掛けた曲をこれからも大切に歌っていく。新たなチャレンジもしていきたいが、ただ表札が変わっただけだと思ってほしい」という思いを伝えていた二人。とはいえ、複雑な思いで初日の開演を待っていたファンは多かったように感じた。
オープニングでは、Kinki Kidsが‘97年のCDデビュー翌年から積み重ねてきたドーム公演を辿る映像とともにカウントダウンが始まる。デビュー曲の「硝子の少年」が流れると、高さ15メートルのステージから登場のステージ衣装を思わせる姿でKinki Kids(堂本剛・堂本光一)が登場。客席から大きな歓声が聞こえた。「Anniversary」では向かい合い、二人の呼吸を合わせた。
「今日はお時間を作っていただいて、Kinki Kidsのコンサートに来てくださいまして、本当にありがとうございます」
光一がそう話し始めると、「硝子の少年」をモチーフにした衣装に触れて「17歳でデビューして、46歳になってもまだ着れるぞというアピールです」と“ドヤ顔”を見せると、剛が「そうだったんですか?」と笑う。続けて、光一が「そして10代の頃から比べると、(キラキラした)石が増えました! 当時、腕の部分がシースルーなのは『デビューしたてで(お金がないから)生地が足りない』って言われてさ」と振ると、剛は「オシャレでやってましたから。それは残念ですよ。というか、いきなり裁縫に熱を入れ出してどうしたんですか」と切り返すと会場から笑いが起こった。
単独アーティストによる東京ドーム最多公演数を更新する68回目のコンサート。光一は「毎回思うんだけど、上の方の席って見えてます?」と指をさすと、そのエリアに座るファンがペンライトを振って応える。剛は「僕もドームクラスのライブで上のほうで観たこともありますよ。ちっちゃいんです。でも、そこを意識してアーティストが意識してくれてると思うだけでハッピーなんで。それは我々が徹さないといけないところですよ」と話すと、拍手が起こった。
今回のコンサートではバンドやストリングスに加えて、後輩グループのふぉ〜ゆ〜が7年ぶりにダンスサポートとしてステージを盛り上げる。豪華な布陣で、「シュレーディンガー」「ジェットコースター・ロマンス」など、新年の幕開けに相応しい華やかなステージングを展開。一転して、「もう君以外は愛せない」「新しい時代」はピアノの伴奏に合わせて、ムービングステージでしっとりと歌唱。ファンの方を向きながら、温かい眼差しを向ける。「カナシミブルー」では2人がフロートに乗って客席の近くにいくと、青(剛)と赤(光一)のメンバーカラーにドームが染まっていた。
後半のMCでは、改名の話題へ。
光一が「長いことKinki Kidsとしてやらせていただいて、このたび『DOMOTO』と改名しまして。いや、今までも堂本でしたけどね(笑)」と明るく切り出すと、「改めて、苗字になるということですよ」と剛。新しいファンクラブも立ち上げ、「皆さんが安心して応援できる環境を整えていこうと思いますし、もちろん今までの曲も大事に歌っていきたいと思っております」と呼び掛けると、剛もしっかり頷く。そんな光一はフロートで客席を回りながら、「色々思うところがあったわけですよ。この人にはこの人の人生があって、『そのなかでなぜKinki Kidsを選んでくれたんだろう』って。同じ関西かもしれんけど、なにわ男子のほうがキラキラしてるよ」とボヤく。「俺らはKinki(近畿)でやってきてるから、彼らはその中のなにわ(浪速)やからね!」と謎の主張を展開。会場から歓声が起こると、剛も「あなたたちも何も乗ってるの」と笑いながらツッコんだ。
そして、ラストの歌唱パートに向かう前には、ステージのメイン画面に10代から共に助け合い、支え合ってきたKinki Kidsの歴史が映し出される。「スワンソング」から始まり、二人で作詞作曲した「Topaz Love」「The Story of Us」などを届ける。そして、最後に選んだのはファンから支持される名バラード「愛のかたまり」。2人の後ろには青いリングと赤いリングが重なり合って、インフィニティマーク(無限大)のような演出に。そのなかで、二人は歌詞を「変わっていく 僕らの愛は 強く光り輝く この冬を越えて もっと素敵になるから」とアレンジ。そんな決意のメッセージを楽曲に乗せて届ける姿にキンキらしさが詰まっていた。
最後の挨拶で、光一は、「本日はみなさんどうもありがとうございました。2025年になり、いつもようにこうしてコンサートを開催できたこと感謝したいと思います。『DOMOTO』になりますけど、今後もよろしくお願いします」と笑顔を見せる。剛も「こうして皆さんからいただいた愛をいつまでも繫いでいきたいと思っています。たくさんの愛をありがとうございました!」と感謝を伝えた。ファンもその思いを受け取り、盛大な拍手がドーム全体を包んだ。
デビューから27周年を迎えたKinki Kidsの屋号には幕を閉じるが、二人の思いは変わらずにファンと共に歩み続ける。
取材・文/吉岡 俊 撮影/後藤 巧