2025年WRC世界ラリー選手権にTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)から参戦しているカッレ・ロバンペラは、1月30日〜2月1日にかけてフィンランドのロヴァニエミを拠点に開催された『アークティック・ラップランド・ラリー』にトヨタGRヤリス・ラリー1で出場した。
チーム代表のヤリ-マティ・ラトバラもトヨタ・セリカGT-FOURに乗り、ヨーロッパ・ヒストリック・ラリー選手権を前にした実戦に臨んでいた一方、ロバンペラはノンハイブリッドのラリー1マシンやハンコックのスノータイヤでの走行経験を積むことに集中していたようだ。
昨季はパートタイムでのWRC参戦を選択したロバンペラは、ラリー以外にもドリフトやサーキット走行に勤しんで多様な経験を優先していた。レース参戦やF1ドライブなども含む濃い1年間を経て迎えた2025年は、WRCのフル参戦へと復帰しているが、久々の参戦となった開幕戦『ラリー・モンテカルロ』はペースに悩み、総合4位となっていた。
前回のWRC参戦から間隔が空いていたことはペースを伸ばしきれなかった要因のひとつと考えられるが、2025年WRCはラリー1のノンハイブリッド化やタイヤがハンコックへシフトするなど変更点の多いシーズンであり、これらへの適応がうまく進められなかったことも理由のひとつだろう。
そんななか、ロバンペラは2月の第2戦『ラリー・スウェーデン』へ向けたウォーミングアップとしても有効なこの『アークティック・ラップランド・ラリー』に参戦。フィンランド国内選手権の1戦として多くの選手が集まる大会に今年も参戦し、最終的には総合2位でチェッカーを受けた。
2位に終わったロバンペラは、北極圏での時間は楽しく、また有意義だったと認めた。
「このイベントは、いつだって楽しいね」と語るロバンペラ。
「かなりクールなラリーだ。そして、ハンコックの新しいタイヤでここに来たことは、本当に重要なことだった」
「最高のセットアップと走り方を見つけるために、より多くの距離を走って、もう少し感覚をつかみたかったところだ。けれど、良い週末になったよ」
また、7位となったラトバラも「カッレと一緒にここにいられたことも有益だった」と続けており、TGR-WRTとしての『アークティック・ラップランド・ラリー』での実戦テストは今年もスムーズに進んだようだ。
こうしたスノータイヤでの経験は、2月13〜16日に北欧スウェーデンで開催されるWRC第2戦に活かされていくこととなる。昨年のトヨタ勢としては、走順の影響やクラッシュが続いたことでヒョンデ・シェル・モービスWRTに勝利を奪われているが、12台のラリー1が集まる2025年大会では、ライバルチームを寄せ付けない速さを見せることができるだろうか。