広島県福山市の住宅で2001年、主婦が刺殺された事件で、殺人などの罪に問われた無職竹森幸三被告(70)の裁判員裁判の公判が6日、広島地裁(後藤有己裁判長)であり、検察側は懲役15年を求刑した。同日結審し、判決は12日の予定。
竹森被告は事件から20年後の21年10月に逮捕された。無罪を主張しており、現場に残された血痕のDNA型が同被告のものと言えるかが主な争点となっている。
検察側は論告で、複数回行われたDNA型鑑定で一部が一致していない結果が出ているが、同被告のものであることを否定したものではないと主張。現場に残っていた足跡とほぼ同サイズの靴を同被告が履いているなどと説明した。弁護側は、現場に残された血痕は同被告のものとは言えず、動機も明らかにされていないなどとした。
起訴状などによると、竹森被告は01年2月6日、福山市明王台の住宅に玄関から侵入し、主婦=当時(35)=の腹を果物ナイフで突き刺すなどして殺害したとされる。