今季2025年も開幕ラウンドのデイトナ24時間レースを制したポルシェ・ペンスキー・モータースポーツは、来週セブリング・インターナショナル・レースウェイで行われるIMSA公認テストで、NTTインディカー・シリーズのスター、ジョセフ・ニューガーデンとスコット・マクラフランにドライブタイムを与える予定だ。
チーム・ペンスキーのドライバーであるニューガーデンとマクラフランは、3月15日に開催されるIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦『モービル1・セブリング12時間レース』に先立って2月11〜13日に同地で行われるテストのエントリーリストに名を連ねており、ファクトリー仕様のポルシェ963で走行する予定となっている。
このエントリーリストによるとマクラフランは、マット・キャンベル、マシュー・ジャミネ、ケビン・エストーレのトリオに合流し、彼らと6号車ポルシェをシェアする。
ニューガーデンは、フェリペ・ナッセ、ニック・タンディ、ローレンス・ファントールとともに、2年連続でデイトナを制した7号車ポルシェのステアリングを握る予定だ。彼にとって963のドライブは、前年の24時間レースでポルシェ・ペンスキーとともに優勝して以来1年ぶりとなる。
一方のマクラフランは、今回のテストがポルシェのLMDhカーでの最初のラップに。彼は2週間前にデイトナで24時間レースを戦ったが、その際はGTDプロクラスの91号車シボレー・コルベットZ06 GT3.R(トラックハウス・バイ・TFスポーツ)をドライブしていた。
なお、ふたりのインディカードライバーに963をテストする機会が与えられた理由については明らかにされていない。WEC世界耐久選手権のカレンダーに含まれるル・マン24時間レースは通常、彼らにとって963をドライブする機会のひとつとなるが、今季2025年はインディカーのラウンドと日程が重なっている。そのためポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが3台目のマシンを用意したとしても彼らの出場は困難だ。
■デイトナでクラッシュ喫した40号車キャデラックは不参加。ランボルギーニも
2月11日(火)から13日(木)まで計3日間にわたって行われるテストのエントリーリストには、GTPカー10台、LMP2カー9台、GTDプロは6台、そしてGTDクラスの12台、都合37台が掲載されている。
キャデラック・ウェイン・テイラー・レーシングは、デイトナでのルイ・デレトラスの事故によってシャーシが損傷したため、40号車キャデラックVシリーズ.Rをテストから除外した。この影響でチームは1台での参加となり、姉妹車のレギュラードライバーであるリッキー・テイラーとフィリペ・アルバカーキに加え、40号車のレギュラーペア、デレトラズとジョーダン・テイラーも10号車キャデラックVシリーズ.Rをドライブすることとなっている。
ハート・オブ・レーシング・チーム(アストンマーティンTHORチーム)は来月のレースデビューに先立ち、2月5日にGTPドライバーに指名されたロス・ガンとロマン・デ・アンジェリス、さらにWEC世界耐久選手権で009号車アストンマーティンをドライブするアレックス・リベラスのために23号車ヴァルキリーAMR-LMHを用意する。
2022年にブリティッシュGT4でチャンピオンを獲得したセナン・フィールディングは、フルシーズンドライバーのジャンマリア・ブルーニとティメン・ファン・デル・ヘルムとともにJDCミラー・モータースポーツの85号車ポルシェ963をテストする予定だ。このほかBMW MチームRLLとアキュラ・メイヤー・シャンク・レーシング(MSR)は、それぞれ2台のマシンを走らせる。
トップクラスのエントリー状況において特筆すべきは、冷却関連の問題によりデイトナ24時間では序盤のうちにレースを去ることとなった63号車ランボルギーニSC63の不在だろう。ライリーが運営するファクトリーチーム、アウトモビリ・ランボルギーニ・スクアドラ・コルセは、セブリングでのテストをさらなる開発の機会に活用する計画だったようだ。
テストへの参加が予定されているLMP2のエントリーのうち、ホンダ・レーシング・コーポレーション(HRC)のドライバーである太田格之進は、Eraモータースポーツのメンバーに含まれており、同チームの18号車オレカ07・ギブソンをドライブする予定だ。アキュラMSRからデイトナ24時間、ワトキンス・グレン6時間、インディアナポリス6時間に参戦することが決定している太田は、このほかにも複数のレースにLMP2マシンで出場することを示唆していた。順当にいけばセブリングではEraのプログラムに加わる可能性が高いとみられる。
同じくLMP2クラスではマティアス・ペレス・コンパンクの名前が88号車オレカ07・ギブソン(AFコルセ)のリストに載っており、これが彼のLMP2カー初走行となると考えられる。
フォード・パフォーマンスのファクトリードライバーであるベン・バーカーは、休暇中に鎖骨を骨折しデイトナを欠場した後、このテストからフォード・マルチマチック・モータースポーツに再合流し、64号車マスタングGT3のステアリングを握る予定だ。
一方、ジョニー・エドガーは“恐竜ポルシェのレキシー”こと77号車ポルシェ911 GT3 Rを含むAOレーシングがエントリーするふたつのクルマをドライブする予定となっている。
3日間のテストの初日、11日火曜はGTDプロとGTDチームのみがトラックアクションを行い、翌12日水曜は全4クラスのマシンが参加する。13日木曜はGTPとLMP2がレーストラックを専有する予定だ。