2月5日、2025年シーズンのロードレース世界選手権 MotoGPクラスのマレーシア公式テスト1日目がマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。今季もコンセッション(優遇措置)が適応されるヤマハは、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)がトップで終える好走ぶりを披露した。
ヤマハとしては、2025年から3年ぶりにサテライトチームが復活し『プリマ・プラマック・ヤマハ』が仲間入り。2024年に引き続きコンセッション(優遇措置)が適応される今季は2チーム4台で体制を強化し、再起を図る年となる。そんなヤマハ陣営は、同地で実施されたシェイクダウンテストからテストライダーとレギュラーライダー総出で参加して今回のマレーシア公式テストに参加している。
シェイクダウンでは新しいシャシーとスイングアームをテストし、最終日にはエアロをアップデートしていたことがすでにわかっている。迎えた今回のテストはクアルタラロとアレックス・リンスには各3台ずつのヤマハYZR-M1が用意されている。2日間の休暇でしっかりと体を休めてリフレッシュさせ、今回のテストに万全な状態で臨んでいるクアルタラロは、今回も好調な様子。
序盤からトップタイムをマークし、終盤に1分57秒555をマークして初日は首位で終えた彼は「タイムアタックにはあまり重点を置いていなかったので、昨年のセパンでの予選よりも今日少し速かったのはプラスだった。かなり良い気分だったよ。いろいろなことを試して、最後に新しいタイヤを履いて、良いラップタイムを出した。いい仕事をしたと思う!」と前向きなコメントを残していた。
先陣を切ってテスト開始時刻から、早々に走り始めたリンスは「今日の強風で計画が少し変わった。シェイクダウンでは、セットアップや新しいアイテムなど、多くのことをテストすることができた。今日は、少し変更した新しいシャシーをもう一度試す予定だったけど、風のせいでできなかった。重要なアイテムを正確に試す必要があるけど、このような状況では簡単ではないよ」と初日は強風の影響でテスト内容を変更していたようだ。
「代わりにミシュランが持ってきた3つの新しいフロントタイヤを試してみた。良いラップタイムを出すために予選タイヤを履かなかったのは、今が適切なタイミングではなかったからだ。今後2日間でシャシーをテストして、そこからどのようなデータが得られるかを確認するよ」
チームメイトのリンスは初日14番手で終えているが、タイム出しはせずタイヤのテストに時間を割いていた様子。2日目以降、天候次第で新パーツのテストを進める彼がどのような評価をするのか気になるところだ。
また、サテライトであるプリマ・プラマック・ヤマハには各2台ずつのヤマハYZR-M1を用意されている。シェイクダウンに引き続きマシンの特性を理解することに重点を置いているというが、新パーツの評価も進めているようだ。ジャック・ミラーはヤマハ陣営の中では最多の63ラップを周回して8番手、オリベイラは10番手と初日から揃ってトップ10に入っている。
ヤマハの中では2番手で終えたミラーは、「日に日にバイクに慣れてきているよ。午後にはM1に本当に慣れてきた。セットアップも整っているから、日中は作業して、いくつかのことをテストし、前進することができた。とても楽しいよ」と非常に前向きな様子。
さらに「ヤマハは、コーナーのスピードなど、これまで乗った他のバイクとは違うことをさせてくれる。バイクが与えてくれる自信を感じたら、もちろんライディングスタイルは変わるけど、幸いなことに、コーナーへの進入方法や急ブレーキ、バイクをスライドさせて停止させるという点で、典型的なジャック・ミラースタイルで乗れると感じている。それが最大の疑問点だったが、M1の長所を損なうことなくそれができるようになったので、僕はハッピーだよ」とマシンの特性も掴めてきているようだ。
ミラーとオリベイラは、2日目以降も自身のライディングスタイルおよびマシンの初期セットアップを改良に取り組んでいくという。KTMとアプリリアをライドした経験があるふたりの新鮮なコメントがどのように反映され、ヤマハに良い影響を与えるだろうか。
ヤマハとしては、4名のレギュラーライダーに加えてアウグスト・フェルナンデスとアンドレア・ドヴィツィオーゾが引き続き参加している。ドヴィツィオーゾは、初日走行は走行していなかったが、2日目以降は走行する可能性があるようだ。この3日間で、ヤマハ陣営はどこまでテストを進めて戦闘力を底上げできるか、ライダーたちのインプレッションに期待したい。