2025年シーズンはトヨタからLynk&Coに乗り換え、シリーズへ2台のLynk&Co 03 TCRを投入する 南半球で最大規模のリージョン選手権となるTCRサウスアメリカ・シリーズにて、トヨタ・ガズー・レーシング・アルゼンティーナ(TGRA)独自開発モデルとなる『トヨタ・カローラGRS TCR』を走らせてきた強豪パラディーニ・レーシングが、今季に向け車両スイッチを発表。2025年シーズンはトヨタからリンク&コーに乗り換え、シリーズへ2台のリンク&コーCo 03 TCRを投入する。
同じ南半球を中心にTCRオーストラリアなどで声を挙げていた各国の潜在的カスタマーに対し、先月の時点で「南米以外で販売する予定はない」と述べていたTGRAだが、その脚元であるサウスアメリカでも陣営内から離脱するチームが出現することになり、これでユーザーチームは事実上のファクトリー運営チームとして、コルドバ本拠のトヨタ・チーム・アルゼンティーナ(TTA)と、ブラジル系チームであるコブラ・レーシングのみとなった。
「パラディーニ・レーシングでは、この重要な変更によってシリーズの主役になれると確信している。プロフェッショナリズムと情熱を持って、この新しい挑戦に取り組む準備ができているよ」と語るのは、引き続きチームのエースを務めるファン-アンヘル・ロッソ。
そのロッソは昨季2024年に3回の表彰台を獲得し、総合ランキング5位を記録。さらに初年度から僚友を務めるファビアン・シャナントゥオーニの残留も確定し、後者は1勝と2位を獲得し、ランキング10位でカローラGRSとの最後のシーズンを終えていた。
チームは今季中にリンク&コーをさらに増やすか、昨年モデルを活用して3台目にトヨタ・カローラGRS TCRの一部を投入する可能性があり、今後「数週間のうち」にさらなるニュースが伝えられるという。
■合わせて約1億3200万円の賞金パッケージが登場
一方、南米モータースポーツ最大のプロモーターであり、本国ブラジルではSCBストックカー・ブラジル“プロシリーズ”も運営するVicarは、2025年のTCRサウスアメリカ王者に対する大規模な財政支援を含む、新しい賞金パッケージの創設を発表。合計で約500万レアル(約1億3200万円)の賞金パッケージが、TCRチャンピオンと、同じくVicarがプロモートするツーリスモ・ナシオナル・シリーズのタイトル獲得者の間で分けられる。
頂点のプロシリーズ以下、ストック・ライト、ツーリスモ・ナシオナル、さらにはTCRの地域シリーズと包括的なピラミッドを有する利点を活かし、ツーリスモ・ナシオナルの最高峰A部門で優勝したドライバーは、2026年TCRサウスアメリカのグリッドに立つ権利(価値換算150万レアル)を獲得する。そのTCRサウスアメリカ王者は、クルマ、登録費用、タイヤ、追加サポートを含む250万レアル相当のプライズによりプロシリーズへのエントリー権を獲得できる。
「これらは2名のドライバーの給与もパッケージに含まれており、それらを合わせると、ほぼ500万レアル相当の価値になる。スポンサーの支援があってこそ実現できたこのインセンティブを提供できることを大変誇りに思う」と語ったのは、VicarでCEOを務めるリンカーン・オリベイラ氏。
同じく地球の反対側に位置する2大リージョン選手権、TCRヨーロッパ・シリーズでもタイトル獲得者への新規インセンティブ制度が確定し、2025年チャンピオンには2026年のFIA TCRワールドツアーへのシーズン出場権が与えられ、タイヤサプライヤーのクムホの支援により、ステップアップを支援するためにレース用タイヤ100本が贈呈されることに。
さらにシーズンを通して、トラック上のドライバーの最終順位によって決定されるさまざまな賞品も提供され、週末の総合得点がもっとも高いドライバーには、次のレースウイークで使用できるクムホタイヤ6本が無料で授与され、2番目と3番目に高いスコアのドライバーにも、それぞれ4本と2本のタイヤが贈られることが決まった。