代役出場の可能性はジョビナッツィより高い? フェラーリが“元育成”周冠宇に求める仕事

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2025年02月07日 07:10  AUTOSPORT web

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周冠宇(キック・ザウバー)とオリバー・ベアマン(フェラーリ) 2024年F1第2戦サウジアラビアGP
 6週間前の我々の独自予想のとおり、昨季2024年までキック・ザウバーのレギュラードライバーだった周冠宇がフェラーリF1チームのリザーブドライバーとなり、同職を継続するアントニオ・ジョビナッツィと役割を分担することが正式発表された。

 ザウバー/アウディがFIA F2チャンピオンのガブリエル・ボルトレートの起用を決定したため、2025年のレースシートを失った周は、できるだけ早くレースシートに復帰できるようグランプリのパドックに留まりたいと考えていた。しかしスクーデリア・フェラーリとの交渉は長引き、ようやく契約が締結された。

 イタリアのブランドにとって、経験豊富なリザーブドライバーを2名確保することは不可欠であり、オリバー・ベアマン(ハース)もそのリストに加えられた。

 ベアマンは契約の一環として、少なくとも2026年末まではハースからグランプリに出場することになるが、以前明らかになったように、シャルル・ルクレールとルイス・ハミルトンのどちらかがレースに出場できないことを“事前に”フェラーリが知った場合は、彼が代わりのドライバーとして優先されることになる。このようなケースであれば若手のベアマンがチームのシミュレーターで準備し、レースウイーク全体の準備に参加する時間ができるためだ。

 しかし、昨年のサウジアラビアGPでカルロス・サインツに虫垂切除の緊急手術が必要となり、レギュラードライバーである彼がフリー走行初日の後にレース欠場を余儀なくされたのと同様の状況になった場合、突然チームを変えさせることはベアマンとハースに不利益があるとフェラーリは判断しており、欠場者の代わりを務めるのは周かジョビナッツィのどちらかになるとみられる。

 現在、チームは両ドライバー間でリザーブドライバーの役割をどのように分担するか決めているところであると考えられるが確かなのは、ジョビナッツィはフェラーリAFコルセからフル参戦しているWEC世界耐久選手権のレースと日程が重なるため、サウジアラビア、カナダ、イタリア、ブラジル(サンパウロGP)のレースの現場には行けないということだ。

 これら4つの国のグランプリレースでは、周がリザーブドライバーを務めるのが確実とみていいだろう。また彼は、フライアウェイレースのほとんどにも参加する可能性が高い。なぜなら、スクーデリアはシミュレーターでのジョビナッツィの働きを評価しており、経験豊富なこのイタリア人が金曜から土曜までマラネロで夜通し仕事をすることを望んでいるためだ。

 周にとって、これは過去への回帰という面も少々ある。この中国人ドライバーは、2015年から2018年までフェラーリ・ドライバー・アカデミーに在籍していたが、スクーデリアからF1に昇格する道がないことが明らかになったため、ルノーのジュニアプログラムに移ったのだ。

 なお、中国がフェラーリの優先市場のひとつであれば他の企業もスクーデリアと提携したいと考える可能性があるため、周の長年の支援者の一部がフェラーリのスポンサー・ポートフォリオに加わるものと予想されている。

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