「バブルが弾けて以降30年以上に渡って…」三菱ケミカルグループCDOが指摘する“日本企業の弱点”とは?

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2025年02月07日 21:10  TOKYO FM +

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「バブルが弾けて以降30年以上に渡って…」三菱ケミカルグループCDOが指摘する“日本企業の弱点”とは?
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00〜20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。2月1日(土)の放送は、前回に引き続き、三菱ケミカルグループ株式会社 執行役シニアバイスプレジデントCDOの市村雄二(いちむら・ゆうじ)さんをゲストに迎えて、お届けしました。


(左から)市村雄二さん、笹川友里


市村さんは、大手ICT企業にて国内外の営業・企画・事業開発・ベンチャー投資に携わった後、2012年にグローバル製造業に入社。M&Aや事業変革を進め、全社の新規事業開発、さらにはインダストリー事業を担当。「DX改革」をグローバルに統括し、マネジメントをおこないます。そして、2022年9月より三菱ケミカルグループにて現職に就いています。

◆海外での営業、突破口となったのは?

国内外さまざまな企業で辣腕を振るってきた市村さんですが、働き始めた当初は、コンピューターの知識はなかったそうで、「最初に担当したのは、1つのシステムが10〜20億円するようなメインフレーム(コンピューター)の営業で、国内で数年やった後、海外に1人で放り出されたんです。しかも、普通はエンジニアと一緒にやるんですけど、1人なのでエンジニアもできないと仕事にならず、そこでゼロから学びました」と振り返ります。そんな環境のなかでも、市村さんは年間180億円もの売り上げを達成したそう。

これに笹川が「(売り上げに結びついた)突破口は何でしたか?」と伺うと、「それまでは(他製品と)どう違うのかを一生懸命伝えようとしていたんですけど、そこから『お客さまにとって、こういう価値を生む』というストーリーに変えられたところだと思います」と答えます。

さらに、文化や人間性が違うなかで活躍を続けられた秘訣については、「自分自身を理解すること。やろうとしていることを正確に話せること。そして、多種多様な文化があるので、(相手の)考え方を傾聴するために、しっかり対話して、お互いの(文化の)違いを認識することが大事かなと思います」と力説します。

そのなかで、昨今の日本企業は弱点があると言い、「今は簡単に(世界中の)人たちとつながることができる一方で、会社の規模が大きいけれども力が発揮できていないというのは“つなぐ力”が弱くなってしまっているから。日本の会社は、バブルが弾けて以降30年以上に渡って、経営方針として効率化や業務を分割して細かく管理していくことが優先されています。それはそれでいいかもしれませんが、つながっていないといけないはずのものが、組織の壁だったり、心の壁にまで出てきているのは大きな課題だと思います」と警鐘を鳴らします。

◆近い将来“オンとオフの垣根”がなくなる!?

続いて、デジタル化が進んでいくなかでの“化学企業の今後”について質問すると、「脱炭素やGHG(温室効果ガス)など非常に大きい社会課題に対して、我々はメーカー同士で共同作業していかないといけない。ですので、競争領域では(ライバルのメーカーと)しっかり戦うのですが、社会価値を解決できるところは、一緒にアプローチしていく共通の流れをつくっているところです」と現状を解説。

そこで、三菱ケミカルグループが目指すDXの形を伺うと、「一言で申し上げると“デジタル・アズ・ノーマル”、すべての人たちがデジタルを意識しない世界(をつくりたい)。今はデジタル技術がどんどん進歩し、AIも対話型からエージェント型になり、“こうしたい”と言ったことを(AIが)結果まで動いてくれます。自分のバディとして複数のAIを持つことも可能な世界になっていますので、ソフトウェア、データの革新とともに、そうしたものを使っていければ非常に大きなことができる世界になっていくと思います」と期待を寄せます。

最後に、市村さんが考える“近未来の風景”を聞いてみると、「オンとオフの垣根がなくなり、時間をもっと切り刻んでうまく使えるようになる。そして、コロナでリモートワークをされたと思いますが、それが世界中でやれるようになる」と言及。

さらには、「企業価値を上げたり、社会価値を解決していくことの延長線上に“幸福度”があると私は思っています。幸福度を上げようとするときに、1人では上げにくい。つまり、社会生活や自分の家族など、いろんな人と一緒に過ごす時間が大事になっていきます。ですから、オンとオフの境目をなくし、うまく仕事を回しながら自分の幸福も上げられるようにしたい」と声を大にします。

ひいては、「“なぜこの仕事をしているのか?”“なぜ自分の時間をこれに使うのか”そこを突き詰めていくと幸福度が上がっていく。そのためにも、人と対話し、できれば仲良くなる。仲良くならなくても、お互いに認め合える関係性が広がればいいなと思っています。デジタル担当の私が言うことではないかもしれないですけど、究極の目的はそれかなと思います」と話していました。

次回2月8日(土)の放送は、平将明(たいら・まさあき)デジタル大臣をゲストに迎えてお届けします。デジタル大臣が目指す日本の未来の姿についてなど、貴重な話が聴けるかも!?

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2月1日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年2月8日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。

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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里

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このニュースに関するつぶやき

  • バブル世代自体が”バブル景気にした”ってか”無駄遣いしまくってバブル景気に無理矢理して接待文化を迎合して出世街道にのった脳筋”なのよ
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