A.マルケスが総合首位で終了。ヤマハとホンダの各2台がトップ10入り/マレーシア公式テスト

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2025年02月08日 00:30  AUTOSPORT web

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フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGPマレーシア公式テスト 3日目
 2月7日、ロードレース世界選手権 MotoGPクラスの2025年シーズンに向けたマレーシア公式テスト3日目がマレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットで行われた。トップタイムはアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が記録し、総合首位で終えている。

 初日は転倒が相次いで少々荒れ模様となり、2日目は各メーカーさまざまな新アイテムが登場し、ロングランを実施するライダーも多く見られた。そんなマレーシア公式テストもいよいよ最終日を迎えた。3日目は前日と変わりはなく、23名のライダーが参加している。

 現地時間10時に気温26度、路面温度35度のドライコンディションでセッションがスタート。最終日ということもあってか、シグナルグリーンの合図とともに9名のライダーが一斉にコースへ向かっていた。開始直後からアタックをするライダーの姿も多く、まずは初日から好調さを見せているファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGPチーム)が真っ先に1分57秒977をマークした。

 すると、2日目首位のフランコ・モルビデリ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)、そしてフランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が1分57秒台を突破させていた。開始1時間ほど経過した時点で、アレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が1分56秒493で首位に立つ。

 トップ4台が1分56秒台に入れたところで、そのあとはロングランを遂行するライダーが多く、上位はあまり変動がないまま終盤へ。途中、断続的に雨に見舞われたこともあり、最終的にはアレックス・マルケス、バニャイア、クアルタラロ、モルビデリのみが1分56秒台となった。ただ、12番手までトップから1秒以内に入っている。

 前年度に引き続き好調なドゥカティ勢だが、エンジンテストは翌週に行われるタイ公式テストに持ち越されるようだ。とはいえ、アレックス・マルケスは3日間を通して好調であり、バニャイアとチームメイトのマルク・マルケスも揃ってトップ5につけている。そして、モルビデリも2日目以降から上位に食い込んでいるところを見ると、引き続き戦闘力の高さは健在だといっていいだろう。

 ルーキーのフェルミン・アルデグエル(グレシーニ・レーシングMotoGP)も順調にタイムを更新しており、最終的には自己ベストを1分57秒401まで短縮させている。トップ10こそ逃したものの、総合11番手と適応力の速さもうかがえる。

 そんなドゥカティ勢の中に、3日間通して食い込んだのはヤマハのクアルタラロだ。最終日はタイムアタックだけでなく、ロングランも実施していたようで、いくつかの新アイテムも上手く働き前向きな様子だ。チームメイトのアレックス・リンスも、3日目はトップ10入り。昨年の第19戦マレーシアGPの予選で記録した1分57秒726からベストラップタイムを1分57秒351まで短縮しており、嬉しさも滲ませていた。

 また、サテライトチームのプリマ・プラマック・ヤマハも順調にテストを遂行。ジャック・ミラーとミゲール・オリベイラふたり揃って、レースシミュレーションを実施しつつ電子デバイスの改善に取り組んでいたようだ。課題は少しあるようだが、良い方向へ向かっているとのことだ。

 2025年からサテライトチームが加わったことで体制が強化され、少しずつ好調さを取り戻しているヤマハ。MotoGPの公式リリースによると、ドゥカティ・レノボ・チームのマネージャーであるダビデ・タルドッツィが「ヤマハが今シーズン最大のライバルになるかもしれない」と語っていたという。今年こそはドゥカティを再び脅かす存在となるだろうか。

 トップ10内に目を向けると、総合6番手にはペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)の名前がある。最終日には1分57秒175をマークしているが、このタイムは2024年第19戦マレーシアGPでブラッド・ビンダーが記録したタイムより速いものだった。好調なアコスタとは一転、ビンダーは最後の1時間で技術的トラブルに見舞われていたようで、総合13番手となった。

 同じくKTM勢のマーベリック・ビニャーレスとエネア・バスティアニーニ(レッドブルKTMテック3)も順位こそ上位ではないものの、日に日にタイムを更新。レッドブルKTMファクトリー・レーシングのふたりとは異なるプログラムを進めていたようで、今後それがどのように反映されるか期待されるところだ。

 また、最終日はホンダ勢がトップ10に2台食い込んだ。最上位は総合7番手のヨハン・ザルコ(カストロール・ホンダLCR)だった。8番手にはジョアン・ミル(ホンダHRCカストロール)も続き、ふたりとも前年度の予選タイムを上回っている。午後からはミルとチームメイトのルカ・マリーニが、2台揃ってロングランも実施していたようで、着実にテストを遂行している様子。

 マリーニは新パーツの評価に時間を割いており、順位こそ上位ではないが、いくつか改善も見込めるアイテムもあったようだ。ルーキーのソムキャット・チャントラ(イデミツ・ホンダLCR)は引き続き、ホンダRC213Vの適応を進めていた。最終的に自己ベストは1分58秒129で、総合19番手となった。

 また、2日目に新パーツを導入し前年度におけるアプリリアの予選タイムを更新したマルコ・ベゼッチ(アプリリア・レーシング)は、総合9番手で終えた。最終日はさらにタイムを縮め、1分57秒328をマーク。王者ホルへ・マルティン不在で少々痛手となったが、ベゼッチが滞りなくテストプログラムを進めていたようだ。

 同じくアプリリア勢でルーキーの小椋藍(トラックハウスMotoGPチーム)は、総合14番手でテストを終えた。初日はタイヤのテスト、2日目はロングランに重点を置いていたが、天候の影響でタイムアタックができずにいた。最終日は早々からアタックを開始し、わずか30分ほどで1分58秒台を突破。最終的には1分57秒754まで自己ベストを更新していた。

 テストであるため、タイムは参考にし難く100パーセントの戦闘力が読み取ることはできないが、各メーカーが前年度よりさらに改善を施しているのは現段階からも読み取れる。翌週には、開幕戦の舞台となるチャン・インターナショナル・サーキットにて公式テストが2日間実施されるが、各メーカーと各ライダーたちがどこまで仕上げることができるだろうか。

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