2025年に行う確定申告から、確定申告書の郵送先が「業務センター」に集約される?

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2025年02月10日 19:31  All About

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2025年1月以降の確定申告書の提出先は電子申告、税務署持参、あるいは郵送と申告手続き形態によって変わります。それには、税務行政内部のDX(デジタルトランスフォーメーション)化が影響しているのですが、今後の対応方法について整理しています。
国税庁では、税務署におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)化、内部事務の効率化のため、申告書の入力処理、申告内容についての照会文書の発送などの事務を専任担当とする「内部事務のセンター化」を実施しています。

これにより、特に2025年1月以降「申告書や届出書を郵送で提出」しようという納税者は大きな影響を受けることとなります。内部事務のセンター化の現状と納税者がとるべき対応について整理していきましょう。

税務署の内部事務のセンター化とは

上記のとおり、税務署における「内部事務のセンター化」とは、「申告書の入力処理、申告内容についての照会文書の発送などの事務を専任担当とする業務センターを設け、そちらで集約しましょう」という流れのことです。

平たく言えば、確定申告書の作成などに代表される税務にまつわる相談業務については従来どおり税務署で行いますが、申告書の入力処理については各業務センターが受け持つということになります。

税務署の内部事務のセンター化が確定申告に与える影響

これにより確定申告書や届出書を書面により郵送する場合は、業務センターへ郵送するということになります。

例えば、東京国税局管内では、麹町・神田・日本橋・京橋・四谷・新宿・大森・雪谷・蒲田・中野・杉並・荻窪といった税務署が所轄である納税者の郵送先は、従来「各所轄税務署」でしたが、これからは「東京国税局業務センター大手町分室」になる、ということです。
東京国税局管内における業務センター対応税務署 一覧(出典:国税庁資料抜粋)


全ての税務署が業務センター化に対応しているわけではない

ただし、ここで注意しなくてはいけないのが、全ての税務署が「業務センター化」に対応しているわけではない、ということです。例えば、図表には世田谷税務署、玉川税務署、北沢税務署といった東京都世田谷区にある税務署の記載がありません。

このような場合、確定申告書や届出書を書面により郵送する場合であっても従来どおり、所轄税務署へ提出することとなります。

自身の所轄税務署が「業務センター化に対応しているか」を調べる方法の1つとして、自身の所轄税務署のホームページを開いてみるといいでしょう。

例えば、八王子税務署のホームページを開いてみると税務署の所在地のほかに「申告書等の郵送先」ということで、東京国税局業務センター武蔵府中分室の送付先が記載されています。

一方、豊島税務署のホームページを開いてみると税務署の所在地と、申告書等の郵送先の送付先が同じであることが分かります。

ただし、国税庁の方針として「2026年には全ての税務署が対象となる予定」としているので、確定申告書や届出書を書面により郵送する場合で、現状、業務センター化に対応していない税務署であってもこれから注意していく必要があります。

2025年1月以降の確定申告書の提出先は

したがって、2025年1月以降の確定申告書の提出先は申告手続き形態によって、以下のとおり異なります。

・税務署持参……従来どおり所轄税務署(所轄によっては確定申告会場)
・電子申告……従来と変わらず電子データにて送信

一方、郵送する場合は、
・内部事務のセンター化の対象となる所轄税務署……所轄税務署ではなく業務センター
・内部事務のセンター化の対象となっていない所轄税務署……従来どおり所轄税務署

となるので、特に、申告書を郵送する場合には、自身の納税地に応じて「所轄税務署か、業務センターか」を確認する必要があります。

文:田中 卓也(税理士)

都内税理士事務所にて13年半の勤務を経て、開業。事業計画の作成・サポートを中心に、経営相談、キャッシュフロー表の立て方、資金繰りの管理、保険の見直し、相続・事業承継対策など多岐にわたる業務をおこなう。
(文:田中 卓也(税理士))
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