
日本には古くから様々な妖怪が言い伝えられていますが、なかでも有名なのが「天狗」なのではないでしょうか。赤い顔に長い鼻が特徴的で、空を飛んだり、時には人を襲ったりもするともいわれています。
漫画家の粉骨堂さんが以前X(旧Twitter)にポストした『世に棲む天狗』シリーズは、人間の世界で天狗が平然と暮らす様子を描いた作品。Xに投稿された第1話は、多くの人から注目を集めて2500件ほどの「いいね」を獲得しています。
ある日、退屈しのぎでパチンコを打つも大勝ちしてしまい、「また勝ってしまった」とつぶやく天狗。パチンコをやめた後、その足で行きつけの鉄板焼き屋に寄り、「強すぎる己がうらめしくなるほどだ」と愚痴をもらすと、店主は「『敗北を知りたい』ちゅーやつでしょ」と応えました。
話は変わり、店主に「そろそろ溜まったツケ払い いただいてよろし?」と言われる天狗は、はぐらかして支払いを無視していると、店主の娘が帰宅。どうやら娘は傷心中とのことで、その理由は、翌日の遠足に台風が重なってしまうことにありました。そして、天狗は「こまいのよ」「遠足の準備をおこたるなよ」と言って、その場から去って「台風」のもとに向かうのでした。
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日常社会に溶け込む天狗が活躍する姿に、読者からは「超人的な力があるのに人間味もある良いキャラ」「素敵なラスト」などの反響が寄せられています。そこで作者の粉骨堂さんに、同作を描いたきっかけについて話を伺いました。
―『世に棲む天狗』シリーズを描いたきっかけを教えてください。
本作の主人公「赤ら顔」は、以前LINEマンガのトライアル連載という枠で描かせていただいた『河童渡世(かっぱとせ)』と言う作品の敵役でした。敵ながら読者の方にキャラクターを気に入っていただけて、私自身も描いていて楽しく、もっと活躍させられそうな手応えを感じたので、スピンオフ的な形で主人公として描きました。
―第1話を描いたうえで特に注目してほしいポイントがあれば、ぜひ教えてください。
超越した態度の天狗と一般人(?)たちのやりとりを気軽にお楽しみいただければと思います。
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―個人的に天狗が戦った「台風」の見た目がお気に入りなのですが、どのような経緯で誕生したのでしょうか?
台風は昔、女性の名称が付けられていたというところから、ちょっとふくよかな感じの女性っぽく描いています。モンスターや妖怪でなく、自然現象から生じた神様のような雰囲気も出せればと思いながら描きました。
―読者にメッセージをお願いいたします。
何やかやと漫画を描いていられるのは、ひとえに読んでくださる方々のおかげです。今後も制作を続けていきたく思っていますので、お付き合いいただけると有難いです。
(海川 まこと/漫画収集家)
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