23年1月10日に78歳で死去した世界的ギタリスト、ジェフ・ベックさんを追悼するトリビュート公演が11日、東京・有明アリーナで行われ、日本を代表するギタリストのChar(69)布袋寅泰(63)B’z松本孝弘(63)が出演した。
最初に登場したCharが「こんばんは。ようこそ」とあいさつし、「Led Boots」の激しいサウンドでスタート。ベックさんの自宅でセッションをするなど親交が深く、この日のホスト役を務めたCharは、80年代にライブを見た時の衝撃を今も忘れられないという。「ギター・ヒーローとして長年君臨してきている人が、表現の幅をまだ広げようとしている。頭を殴られるぐらいのショックがあった」と明かし、尊敬する恩人に「今日はジェフが与えてくれた機会。ジェフ、サンキュー」と呼びかけた。
続いて登場したのが松本で「Too Much To Lose」などを演奏した。「誰の言葉だったか定かではないのですが、『ロックギタリストには2種類しかいない。ジェフ・ベックとそれ以外だ』というのを聞いたことがあります。唯一無二とはまさに彼のことですよね」とリスペクトを惜しまない。
3番目に登場した布袋は「Hammer Head」などを弾いた。ベックさんの生まれ育った英国に移住した縁もある。死去を悼んで「信じられませんが、寂しいし、悔しいけど、彼がこんなにすてきな時間を俺たちにプレゼントしてくれました」と感謝。「きっと天国で『そこが違うよ。そこが全部俺のトリックにハマっているよ』と言って笑ってるかもしれない」と神業テクニシャンをしのんだ。そして「ジェフから教わったスピリットみたいなものを皆さんと一緒に楽しみたいと思って今日はここに集まりました。ジェフはいないけれど、素晴らしい伴奏を楽しんでください」などと約9000人に呼びかけた。
全18曲がベックさんの楽曲で、ラストは人気曲「Going Down」。ここで3人が初めてステージに並んだ。初共演の3人は互いに顔を見合わせながら気持ち良さそうにギターを奏でた。
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死去から約2年。グラミー賞を8回受賞し、2回のロックの殿堂入りをした天才ギタリストのサウンドがこの日、日本を代表する3人の手で響き渡った。【松本久】
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