10歳の息子が救った、棒でいじめられていた子猫 「助けてほしい」と泣きながら連れて帰ってきた日 22歳目前の長寿猫となるまでの愛の物語

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2025年02月12日 07:40  まいどなニュース

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冬場はぬるま湯で水分補給

「これから、うんと幸せになって欲しいと願いを込めて幸(サキ)と名づけました。でも、幸が来て幸せになったのは私たちのほうでした」

【写真】家に来た当初の猫さん…子どもたちが泣きながら連れて帰ってきました

飼い主のsaki-mama(@sakiranrin)さんは愛猫・幸ちゃんとの出会いを振り返り、そんな言葉を溢す。幸ちゃんは今年の5月に22歳となる、ハイシニアにゃんこだ。

10歳の息子が公園でいじめられていた子猫を保護

2003年8月、両目が開いていない状態の幸ちゃんは公園で子どもたちに棒で突かれ、いじめられていた。その光景に胸を痛めたのは、当時10歳だった息子さん。

家に連れ帰ったら怒られると思った息子さんはまず、姉(12歳)に相談。2人は駅前などで里親を探したが、見つからず。空が薄暗くなってきたため、「助けてほしい」と泣きながら幸ちゃんを連れ帰ってきた。

事情を知った飼い主さんは、すぐに動物病院へ。生後3カ月ほどであると分かった。

「栄養失調で体重は生後1カ月くらいの子ほどしかなく、猫風邪が酷かった。目は酷い結膜炎。両目とも失明するかもしれないと言われました」

通院治療により両目の失明は避けられたが、右目は失明。だが、他に大きな病気を患うことなく、カーテン登りを楽しめるほど元気になった。

当時、自宅には先住フェレットが2匹いたため、飼い主さんは体調が回復したら幸ちゃんの里親を探そうと考えていたそう。

しかし、一緒に暮らす中で甘えん坊の幸ちゃんがかわいくてたまらなくなり、正式に家族として迎え入れた。

2匹のフェレットと賑やかな日常を過ごした若猫期

若猫期の幸ちゃんは頑固。目やにケアやお風呂、爪切りが大嫌い。動物病院も苦手で通院後は3日ほど、食事をストライキ。

「通院日がバレないよう、前日からキャリーケースをこっそり用意するなど作戦を練っても隠れて出てこない。夫と『超能力者か?』と話していました(笑)。だから、先生と相談して薬のみの時は連れて行かないようにしました」

フードを変えて欲しい時にはご飯の前でそっぽを向き、アピール。自分の気持ちを伝えることが上手だった。

先住フェレットとは結託して、イタズラを楽しむことも。旦那さんの部屋を荒しては楽しんでいた。

「いつも、フェレットのマーにくっついていました。もう1匹のフェレット、クーとはマーを取り合うライバルでしたが、イタズラする時は息が合ったようです」

ちなみに、幸ちゃんは家にやってきた当初、クーちゃんからフードボウルに排便をされるという、まさかの洗礼を受けたそう。

「だからか、幸はその後、迎えた猫ランのフードボウルにうんちを…。要らぬことを受け継ぎました(笑)」

猫が苦手だった私を変えてくれた

性格が丸くなったのはフェレットや後輩猫が旅立ち、ひとりになってから。20才頃からはドライフードを吐くようになったため、飼い主さんはクラッシャーで潰して与えるように。 

21才になり、ドライフードを口にしなくなってからはシニア向けのウェットフードやペースト状の舐める栄養食を与えている。

「幸は頑固なので、昨日まで好きだったものでも嫌と思ったら一切食べません。食べてくれないのは困るので、食べたいというものをできる限りあげています」

なお、飼い主さん夫婦は自営業であるため、幸ちゃんを職場へ連れて行き、ひとりぼっちにさせないように気を付けているそう。仕事中、幸ちゃんは適温に保たれた事務所でまったりと過ごす。

「今まで旅立ちを見送るたび、この子はうちに来て幸せだったのだろうか、もっと色々できたのではないかと思うことがたくさんあった。幸にも残りの猫生を幸せに生きてほしくて、ひとりぼっちにさせないように工夫したら、すごく楽しそうにしてくれた。教科書通りでは分からないことって、たくさんありますね」

実は飼い主さん、昔、野良猫にパンを強奪されそうになったことがあり、もともとは猫が苦手だった。だが、世間に衝撃を与えたこげんたちゃんの虐待死事件(※別名「福岡猫虐待事件」。2002年、インターネット上に子猫猫を虐待する写真がアップされた事件)を知り、心境が変化。ショックを受け、野良猫に幸せになってほしいと強く思うようになった。

「これは私の勝手な思い込みなのですが、事件を知った直後にサキと出会い、もしかしてこげんたちゃんの生まれ変わりなのでは…?と思った。それもあって、この子にはうんと幸せになってほしかったんです」

中高齢期に入った頃から腎臓や肝臓、膵臓の数値が悪く、獣医師からは「いつ何があってもおかしくない」と言われながらも長いニャン生を謳歌している幸ちゃん。今年の誕生日にも、かわいい姿を見せてほしい。

(愛玩動物飼養管理士・古川 諭香)

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