最初に披露された「Somewhere I Belong」から会場のボルテージはマックスに。大声で歌う観客の声とそれに応えるように歌うエミリーが会場を熱くし、今が冬であることを忘れさせた。その後、「Crawling」「New Divide」の2曲を終え、初のMCを挟んだマイクは、「ありがとうございます」と日本語でお礼、会場に「I love you」と観客へメッセージを送った。
さらにマイク・シノダのプロジェクト、Fort Minor(フォート・マイナー)の 「When They Come for Me」と「Remember the Name」の2楽曲を特別アレンジしたマッシュアップ形式で披露した際の会場の興奮は大きな声援となって会場を包み込んだ。そして会場が突然明るくなり、「ハッピーバースデートゥーユー」と歌うエミリーと共にケーキが登場した。そう、この日の公演はメンバーのマイク・シノダの誕生日なのであった。さらに2月8日(日)はフェニックス(デイヴ)の誕生日でもあり、会場の観客たちと共に二人の誕生日をお祝いした。
しっとりとした楽曲の「Good Things Go」と続き、「What I‘ve Done」を披露してコンサートは終盤を迎えた。ここで流れた映像のテーマは<Kintsugi>(金継ぎ)となっている。金継ぎとは、日本の伝統工芸であり、欠けたり割れたりした食器などを漆と金粉によって修復することで、金色の継ぎ目が模様のように入った「この世にひとつしかない新たな食器」が生まれるという文化だ。日本の伝統芸能をまるで自分たちのバンド人生に投影するかのような演出に日本へのリスペクト、さらにバンドとしての新しいスタートを切ったことを知らせた。
映像が流れた後には、「Numb」と「Numb / Encore」のマッシュアップ・バージョンを披露。青いレーザーの光が印象的で、観客に「歌って!」とマイクが声をかけ、会場が大合唱で一つになった。「In the End」ではマイクとエミリーがアリーナ席に飛び込み、観客の至近距離でパフォーマンスを披露した。そのあとも怒涛のヒット曲ラッシュは続き、「Faint」の演奏で本編を終了させた。
アンコールでも大満足の4曲を披露し、「Papercut」、「A Place for My Head」、最新アルバム『From Zero』より、王冠を被ることの代償を謳う、「Heavy is the Crown」をメンバーが感情をこめて披露し、「Bleed It Out」で幕を閉じた。