会談に臨む自民、公明、日本維新の会各党の政調会長ら=14日午前、国会内 自民、公明両党と日本維新の会の政調会長は14日、2025年度予算案賛成の条件として維新が求める高校授業料の無償化について協議した。自公は私立高校に通う世帯に支給する年最大39万6000円の就学支援金について、26年度から所得制限を撤廃し、増額する方針を伝達。積み上げ幅に関し週明け以降に議論を急ぐことを確認した。
会談後、自民の小野寺五典政調会長は記者団に、私立向けの就学支援金について「(現在の)水準から引き上がると思っている。どのぐらいの引き上げになるのか、来週早々に集中して議論する」と説明した。会談では維新が予算案賛成のもう一つの条件としている社会保障改革についても協議したが、結論は出なかった。
高校の就学支援金は現在、公立、私立を問わず、年収910万円未満の世帯に11万8800円を支給。私立に通う年収590万円未満の世帯なら支給額を最大39万6000円まで加算している。自公はこれまでに、910万円の所得制限を25年度から撤廃する方針を示している。
維新は25年度から私立も含む無償化を主張してきた。ただ、前原誠司共同代表は14日夜のニッポン放送のラジオ番組で「実施時期が多少ずれても仕方ない」と述べ、自公側への歩み寄りに含みを残した。
自公が26年度から私立加算について所得制限を撤廃して上限を引き上げる方針を示したことで、今後は積み上げ幅が焦点となる。維新の青柳仁士政調会長は会談後、記者団に対し、63万円までの引き上げを主張。「水準によっては最終合意できないかもしれない」と述べ、与党をけん制した。
与党内では全国の私立高校授業料の平均額(約46万円)を参考にすべきだとの意見が出ている。自民内には「具体的な額まで協議で確約するのは難しい」(幹部)との声もある。
維新は高校以外の無償化を確実にするため、学校給食費や0〜2歳児保育料の無償化を明記した「プログラム法」の制定も求めている。
与党は来週中の維新との合意を目指す。小野寺氏は記者団に「予算案の国会での修正が必要になる」と指摘。自民幹部によると、政府が予算案を撤回し新たに提出する「内閣修正」ではなく、与野党協議で修正を行う「国会修正」で対応する方針だ。