画像提供:マイナビニュース日産自動車のフォーミュラEチームは、今週末にサウジアラビアで開催される「ABB FIAフォーミュラE世界選手権シーズン11」の「ジェッダE-Prix」に参戦する。
チームは前回レースからの勢いをそのままに、今シーズン初のダブルヘッダーとなる「ジェッダE-Prix」に挑む。金曜日のレースではフォーミュラE初の試みとなるピットブーストの導入も予定されている。
○メキシコでの勝利を受けて、さらに高いモチベーションで挑戦
オリバー・ローランドは前回メキシコシティ戦において、劇的な3度のオーバーテイクを決め、シーズン11における初勝利を収めた。この勝利により最多ポイントを獲得し、ドライバーズチャンピオンシップで2位につけている。
一方、ノーマン・ナトーは、良好なレースペースを発揮しながらも結果に結びつけることができなかったが、今回のレースで巻き返しを狙う。
ダブルヘッダーの最初となる金曜日のレースではピットブーストが初めて導入される。車両はピットレーンで600kW充電を30秒間実施し、エネルギーを約10%(3.85kWh)追加できる。これにより各チームの戦略の幅が広がることが期待されている。
サウジアラビアでのフォーミュラE開催はシーズン5から続いているが、ジェッダでの開催は初となる。紅海沿岸に位置するジェッダコーニッシュサーキットの全長は3.001キロメートル。19のターンがあり、ターン1、ターン8でオーバーテイクが期待される。また、長くて速い左カーブのターン12の後にスリリングな高速セクションが待っている。
さらに同イベントでは、若手ドライバー向けのセッションFP0(フリープラクティス0)が開催され、ガブリエレ・ミニが木曜日の現地時間18:00(UTC + 3)に開催されるFP0でチーム代表としてドライブする予定だ。
ミニは今シーズンのフォーミュラ2に出場する予定で、2024年5月にベルリンのルーキーテストで日産のフォーミュラEマシンを体験した。ミニは、ジェッダでのスキルを向上させると同時にチームのレース準備をサポートする。
ローランドとナトーはその後、現地時間21:00にフリー・プラクティスに出走。両レースともに予選は15:20開始、決勝戦は20:00スタートとなる。
日産フォーミュラEのゼネラルマネージャー兼日産フォーミュラEチームのマネージングダイレクターであるトマソ・ヴォルペ氏は以下の通りに意気込みを語った。
「メキシコでの勝利を受けて、私たちはさらに高いモチベーションで挑もうとしていますが、新しいサーキットとピットブーストの導入が重なるため、大きな挑戦も予想されます。実際のレースでピットブーストがどのように機能するのかによって、ゲームチェンジャーになる可能性があると考えています。
戦略に関しては、各レースを別ものとして分けて準備することに重点を置いてきました。金曜と木曜のレースが全く異なるため、木曜日に多くの有意義なデータを収集することが非常に重要になります。
イノベーションパートナーであるエレクトロミンのホームレースでもあり、エキサイティングでイベントフルなダブルヘッダーになると期待しています。電気モビリティソリューションに専念する企業として、ピットブーストの導入とともに進化したフォーミュラEに挑戦する私たちをサポートしてくれることに感謝しています」
○■ドライバーコメント
●オリバー・ローランド
「メキシコでの勝利後、チーム内はとても良い雰囲気であり、ジェッダの新しいサーキットでしっかりとポイントを獲得することを目指しています。ピットブーストは新たな挑戦ですが、楽しみにしています。
今回の2つのレースは全く異なる展開になるでしょう。金曜日はフォーミュラE史上最速のイベントの一つになると予想していますが、土曜日はペロトンスタイルのレースになるかもしれません。どのようなシナリオにも適応できれば、良いレースができると自信を持っています」
●ノーマン・ナトー
「シーズン最初の2レースは、私たちのマシンの仕上がりが良く、良いパフォーマンスを発揮する力があることを証明しています。
ピットブーストは興味深いもので、実際のレースで使用するのは初めてです。 良い予選結果を確保できれば、私たちは前線争いに加わることができるはずです。コースのレイアウトはシミュレーターで把握しているので、実際に走るのが楽しみです」
●ガブリエレ・ミニ
「シミュレーターでの作業から見ると、とてもエキサイティングなサーキットのようです。
他のカテゴリーでも見られるように、ジェッダは高速コーナーが多く、ドライバーにとってはワクワクする場所です。シミュレーターでの運転から感じるのは、GEN3 Evo車両の全輪駆動(AWD)による違いが非常に大きいということです。
このシリーズが大きな進歩を遂げたように感じるので、サーキット上でそれを試すのが楽しみです。小さなミスも許されない厳しいレースになると思いますので、集中力を保ち、有意義なデータをできるだけ多く抽出することを目指します」
●セルジオ・セッテ・カマラ
「新しい都市とサーキットに向かうのは常にエキサイティングです。未知の場所では、適応力が求められます。
シミュレーターでピットブースト周りの戦略を練習しましたが、実際のシーンで正しく機能するのか分からない部分があります。流れるようなコースの前半部分はドライバーにとっては挑戦ですが、見ている方も楽しめると思います。オーバーテイクやホイール・トゥ・ホイールの接近戦の多いレースになることを期待しています」(エボル)