
2月16日に行なわれるGIII共同通信杯(東京・芝1800m)は、クラシックの登竜門として注目度の高い一戦だ。実際、過去10年を振り返ってみても、ドゥラメンテをはじめ、ディーマジェスティ、エフフォーリア、シャフリヤール、ジオグリフ、ジャスティンミラノなど、ここで上位争いを演じた馬たちがGI皐月賞(中山・芝2000m)、GI日本ダービー(東京・2400m)で戴冠を遂げている。
そうした状況を踏まえると、"堅い"レースといった印象が強いかもしれないが、実は過去10年で1番人気は一度も勝っておらず、どちらかと言えば、波乱含みの一戦と言える。6番人気以下の伏兵がしばしば馬券に絡んで、馬連や3連単ではオイシイ配当が度々生まれている。
であれば、穴狙いに徹してみるのも悪くない。そこで、過去10年の結果を参考にして、今年のレースで波乱を演出しそうな馬をあぶり出してみたい。
まず、人気、人気薄を問わず押さえておきたいのは、新馬勝ちを果たしたばかりの馬である。昨年、4番人気で勝利したジャスティンミラノをはじめ、その臨戦で挑んできた馬が数多く馬券に絡んでいるからだ。
ジャスティンミラノ以外では、2015年に3番人気で勝ったリアルスティール、2018年に3番人気で2着と好走したサトノソルタス、2020年に2番人気で3着となったフィリオアレグロ、2021年に7番人気で2着に突っ込んできたヴィクティファルス、同2番人気で3着に入ったシャフリヤール、2022年に3番人気で快勝したダノンベルーガ、2023年に5番人気で2着と奮闘したタッチウッドらがそうだ。
|
|
そして今年も、新馬戦を勝ち上がってきたばかりの馬が1頭出走する。ネブラディスク(牡3歳)である。
同馬は11月24日の新馬戦(京都・芝2000m)を3馬身差の完勝。その勝ちっぷりからして、いきなりの重賞挑戦でも十分に勝負になりそう。そういう意味では、高い人気が予想されるが、1番人気にならなければ、積極的に狙っていきたいところだ。
次に注目したいのは、新馬→1勝クラス(旧500万下)、あるいは未勝利→1勝クラスと連勝してきた馬だ。2015年に2着となったドゥラメンテもそうだが、同馬を除くと、こうしたタイプは直近でオープン特別や重賞で上位争いを演じてきた馬たちに比べて人気の盲点となることが多く、馬券的な妙味も一段と高まる。
いい例となるのは、2015年に4番人気で3着に入ったアンビシャス、2018年に6番人気で勝ったオウケンムーン、2019年に3番人気で勝利したダノンキングリー、2021年に4番人気で完勝したエフフォーリアらである。
今年もこのタイプが1頭だけいる。カラマティアノス(牡3歳)だ。
|
|
同馬は、新馬、未勝利と連続3着のあと、未勝利戦(10月13日/東京・芝1800m)、1勝クラスのこうやまき賞(12月1日/中京・芝1600m)と連勝して、この舞台に駒を進めてきた。
同馬は今回が5戦目。共同通信杯が3戦目、あるいは4戦目だった過去例の馬たちとは若干異なるが、直前に未勝利(あるいは新馬)→1勝クラスを連勝してきたことは同じ。しかも、それでいてそこまで人気にならないのも一緒だ。一発の可能性は大いにある。
最後に触れておきたいのは、"逃げ馬には要注意"ということだ。なぜなら最近5年間で、逃げるか、2コーナーすぎから先頭に立った馬が4度も馬券に絡んでいるからだ。
その4頭というのは、2020年に4番人気で2着に入ったビターエンダー、2022年に8番人気で3着と健闘したビーアストニッシド、2023年に5番人気で2着と好走したタッチウッド、2024年に9番人気で3着に粘ったパワーホールである。
ただ今年は、これといった逃げ馬がいない。そんななか、気になるのはショウナンマクベス(牡3歳)だ。
|
|
同馬は、新馬戦(6月15日/東京・芝1600m)で逃げ切り勝ち。2走前の1勝クラス・百日草特別(11月3日/東京・芝2000m)でも、2、3番手の好位につけて勝利を飾っている。
そうしたことから、同馬がここで積極策に出る可能性はある。もしそうなれば、過去例に挙げた馬たちと同様、上位に粘り込んでも不思議ではない。
昨年も3連単の配当は10万円超えとなった共同通信杯。今年はここに挙げた3頭のなかに、高配当をもたらす馬がいるかもしれない。