“あおり運転”をしたスポーツカーの運転手が、大型トラックの“仕返し”に意気消沈するまで――人気記事ベスト

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2025年02月16日 09:10  日刊SPA!

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※写真はイメージです
過去5万本の記事より大反響だった話をピックアップ!(初公開2024年1月6日 記事は取材時の状況) *  *  *

 ここ数年、ニュースなどで頻繁に取り上げられている「あおり運転」。20年6月には改正道路交通法が施行され、以前よりも厳しく罰せられるようになったが、激減しているとは言い難い。

 自動車損害保険を扱うチューリッヒ保険が8月に発表した『2023年あおり運転実態調査』によると、あおり運転をされたことがあるドライバーは53.5%。最初に調査を行った18年(70.4%)に比べれば改善しているが、前回調査の22年(51.3%)よりは悪化している。つまり、半数弱の方が被害経験を持つわけだ。あおり運転の被害者は後を絶たない。

 だが、因果応報と言うべきか。あおり運転をした運転手の意外な顛末とは?

◆若い女性を乗せた中年男がニヤニヤしながら迫ってくる…

 北海道在住の荒井太一さん(仮名・30代)は、よく家族旅行で道内を長距離運転するという。あるとき、「あおり運転」に遭遇した。

 白いスポーツカーがものすごい勢いで迫ってくるのがバックミラー越しに見えたそうだ。

「すぐに追い越して行くだろうと思っていたら、真後ろで急にスピードを落として、あおり運転を始めたんです。テレビでよく見る蛇行運転に、後部座席に乗っていた子どもたちも怖がっていました。運転手はフォーマルな格好をした中年男性。

 妻が『ニヤニヤしながらこっちを見ている』というので目をやると、まるで挑発を楽しんでいるような雰囲気でした」

 荒井さんはすぐに車を左側に寄せてスピードを落とした。ハザードを出して追い越すように合図をしたのだ。しかし、男は不気味な笑顔でついてきたという。さすがに恐怖を抱いた荒井さんは「停車するから、相手が降りてきた時のためにスマホで動画撮っておいて」と妻にお願いした。

◆大型トラックが登場し、まさかの大逆転!

 荒井さんがドアのロックを確認してから停車すると、運転手は停車せずに追い越していったそうだ。

「私たちは『車から降りてきて怒鳴ったり、車を蹴ってきたりしたらどうしよう……』と、さまざまなケースを想像しました。助手席には若い女性の姿が見えましたね。本当になんだったんですかね」

 ようやく恐怖から解放され、再び発進しようとした荒井さんだったが、その後、予想外の“逆転劇”が起こった……。

「後ろから大型トラックが猛スピードで走って来るのが見えたため、通りすぎるのを待ちました。すると、先ほどあおり運転をしてきたスポーツカーの後ろにトラックがピッタリとくっつき、けたたましいクラクションを鳴らしていたんです」

 なんと、荒井さん家族をあおっていた運転手が、今度はトラックにあおられたのだ。そして次の瞬間……。

「運転手はトラックの威嚇が怖くなったのか路肩で徐行して、それをトラックはすごい勢いで追い越していきました。目の前の運転手があおられるのを見て、本当にスカッとしました」

 もしかすると大型トラックの運転手は、荒井さんの車があおられるのを見ていて、その“仕返し”でこうした行動を取ったのかもしれないと振り返った。

◆狭い山道であおり運転に遭遇!

 地方で介護の仕事をしている麻生良夫さん(仮名・30代)。休日は山奥の温泉に行ったり、ドライブをしたりする日々を送っていた。

 そんなある日、山道を車で走っていると、その近辺ではあまり見かけない真っ赤なスポーツカーが現れたという。

「かなりの速度で走っていて、私の車を追い抜こうとしていました。しかし、対向車が来ると避けられない狭い山道だったため、なかなか抜かすことができなかったんです。すると、運転手はイライラしたのか、後ろで何度もパッシングをしてきたんです」

 ニュースではよく目にしていたが、実際に自分があおり運転に遭遇するとは思わなかったと語る麻生さん。

 スポーツカーは、再び速度を上げて追い抜こうとするが、対向車が来て慌てて急ブレーキを繰り返す。それが5分〜10分程度続いたあと、しびれを切らした運転手が……。

◆抜き去るスポーツカーに起こった悲劇

「窓から顔を出し、『ちんたら走ってんじゃねえ!』『どけよ!』と怒鳴っていました。退避エリアもなく、私はどうすることもできなかったので、ただ大通りに出るのを待つしかありませんでした」

 走行している道に落石や崩れた道があると知っていたため、速度を上げることはできなかったとのこと。しばらくすると道が開けてきた。運転手は爆音とともに速度を上げると、麻生さんを睨みながら抜き去っていったという。

 しかし、その数秒後、驚きの光景が目に入った。

「前日は一日中雨が降り、山道もぬかるんだ場所が多かったんです。あおってきた車は大量の雨を吸った落ち葉の上を走っていました。しかも、運の悪いことにあたりの落ち葉はすべて“イチョウの葉”でした。イチョウの葉って乾いていても滑りやすいんですよね」

 それを知らない運転手。大量のイチョウの葉の上でスリップすると、一瞬で姿を消した。なんと、そのまま崖から落ちてしまったのだ……。

「車を止めて崖の下の様子を見に行くと、石や木にぶつかってボコボコになったスポーツカーがありました。私はすぐに警察に連絡しました」

 運転手は20代の若い男で、麻生さんの車に残っていたドライブレコーダーの映像により、事情聴取を受けることになった。男はあおり運転をしただけでなく、父親の車を勝手に乗り回していたようで、迎えに来た父親に怒鳴り散らされていたとのことだ。

 幸い、運転手の男性はかすり傷程度で済んだが、運が悪ければ、命も奪われるような大事故にもつながっていただろう。

<取材・文/chimi86>

【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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