
デートの時、待ち合わせ場所を指定したり、遅刻しそうな時に連絡したり。今や、スマホなしで恋愛するなんて考えられない。そう感じている現代人は多いと思います。
スマホがあれば、いつどこでも連絡が取れるどころか、場合によっては位置情報を追うこともできます。携帯電話、そしてスマホは、私たちの人間関係や恋愛の仕方を大きく変えたことでしょう。
でも、もし「スマホがない状態」で恋愛がスタートしたら……その恋は、どんな恋になるのでしょうか。
Netflixで独占配信中の恋愛リアリティショー「オフライン ラブ」は、独身男女が“デジタルデバイスなし”で恋愛できるのかどうかを見守ります。すると意外なことに、便利な時代に生まれた私たちが忘れがちな、恋のはじめ方と運命のつかみ方が見えてきたのです。
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■スマホなしの恋は超不便!? だけど恋は加速する
恋の舞台はフランス・ニース。集まった10人の男女は、デジタルデバイスを全て鍵のかかったロッカーにしまい込んで、ガイドブックを片手にニースの街へ繰り出します。よくある恋愛リアリティショーのように、全員そろって「はじめまして」をする場面はなく、恋の旅がスタート。運のいい男女は街中で出会うことができますが、なかなか異性に会えないまま、一人旅を楽しんでしまうメンバーも。
スマホとインターネット社会は、恋人との関係性のみならず、恋愛のはじめ方も大きく変えました。SNSやマッチングアプリでは気になる異性を検索して探すことができ、声も性格も分からないままに、会ったこともないその人の顔や肩書きなどの“スペック”を知ることができます。
しかし、この旅ではそうはいきません。「あれ、あの人メンバーかも?」と思っても、勇気を出して声をかけなければ、出会うこともできない。デートに誘うには、直接会うか手紙を投函するかしかありません。この不便さが、彼らの運命を大きく変えていくことになるのです。
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路地を一本間違えるだけで運命の相手と出会えないかもしれないし、待ち合わせ場所は細かく指定しないと、うまく会えないかもしれません。デートがダブルブッキングしてしまった時も、タイムリーに日程調整することは不可能です。
こう聞くとむしろ「恋愛しづらいだけでは?」と思う方もいるかもしれません。しかしなぜか、不便さは恋に魔法をかけていくのです。不便だからこそ偶然の出会いが“運命”に変わり、いつもはしないような積極的な行動ができてしまう。スマホの便利さは、私たちから恋する積極性を奪っていたのかも。そう感じさせるほど、10人の旅はドラマティックに進むのです。
■「オフライン ラブ」の魅力を存分に語ってくれる3人
スタジオMCはデジタルデバイスのない時代の恋愛の経験者でもある、女優の小泉今日子さんと、2023年・2024年M-1グランプリでチャンピオンに輝いたお笑い芸人・令和ロマンの高比良くるまさんと松井ケムリさん。3人の掛け合いもまた、この番組のみどころです。
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まずは頭の回転が早いくるまさんが、参加メンバーの“恋のテクニック”をどんどん言語化してくれます。スマホがない分、遠隔でのアプローチが難しいため、参加メンバーの中には感情をどんどん表に出して自分の想いを言葉で伝える人も。それが時に異性に刺さり、はたまた少し重く感じられてしまいます。“恋の天秤”の揺れをすぐに察知するくるまさんのMCは、面白いだけでなくとても参考になります。
ケムリさんはくるまさんの分析に対し、恋に不器用な男性の目線でコメントしてくれます。ケムリさんの発言を聞くと、男女がすれ違ってしまうポイントがどこなのかが、むしろ明確になるのです。そこに、人生の先輩である小泉さんが大人な意見で包みこみます。相手が目の前にいる瞬間に全力で向き合う「オフライン ラブ」の恋愛模様は、MCの3人にとっても新鮮な面白さがあることが伝わってきます。
■個性的な参加メンバーが繰り広げる“少女漫画のような心情”に共感
参加メンバーもまた、さまざまな個性を持った男女がそろっています。恋愛経験のないトウコは、デート中に気になる男性に感情や想いをぶつけるも、会えない時間に気持ちが空回りしてしまいます。女子最年少のミミは、デート中に男性を楽しませるのが上手。スマホでの交流がないからこそ、いかにデートを演出するかが大切であることを教えてくれます。
パリ在住モデルのマホは、等身大の自分で異性との交流を楽しみます。ですが、行動力では他の女性に負ける部分も。反面、俳優のナナミは、恋愛経験は少ないながらに天性の明るさで人を惹きつけ、テクニックなどなくとも恋は始まるということを教えてくれます。自分らしさを大切にするカナカは、自立した女性の魅力をその行動で示してくれます。
男子メンバーも性格や趣味が異なるすてきな男性がそろっていますが、マイナビウーマン読者世代であるアラサー女性にとっての見どころはやはり、女性メンバーたちの心の動きだと思います。女子メンバーの中には、うまく想いが伝わらず悩む人や、相手の気持ちをすぐに確かめられずに戸惑いの表情を見せる瞬間も……。その様子は、まるで昔読んだ少女漫画のようで共感間違いなし。女友達とアレコレ言いながら見るのもおすすめです。
■スマホが奪う、私たちの恋するエネルギー。本当に必要なものは……
この旅が伝えてくれるのは「自分にとって恋愛に必要なものはなんなのか」だと感じました。今の私たちはどんなに大切な言葉も、文字にして簡単に送ることができてしまいます。しかし「オフライン ラブ」では、すぐに伝えられない、会えない、相手がどうしているかが分からない不安は、恋心を育てるスパイスになっていました。相手を想うその時間こそが、メンバーの中で愛や人間性を育てる貴重な時間になっていたのです。
また、少しのすれ違いで運命が変わってしまうのも、「オフライン ラブ」の特徴です。相手の気持ちが分からないままに行動することで、思い込みが激しくなったり、会えない間に自分の気持ちがよく分からなくなったり。こういう障害にも、スマホがあればぶつからずに済むのかもしれません。だけど、自分の気持ちととことん向き合って成長していくメンバーを見ていると、「若いうちにぶつかるべき壁なのかも」とも思えてきます。
スマホで便利にコスパよく恋愛していると、自分にとって必要なものがなんなのか、分からなくなった経験がある人もいることでしょう。肩書きが先に見えてしまうからこそ、人間性を過小評価してしまったり、いつも連絡できてしまうからこそ、お互い縛りつけてしまったり、時にありがたさを忘れてしまったり。
スマホがあると「何回目のデートか」「どれだけまめに連絡が返ってくるか」といった数値やデジタルデバイスありきのポイントを見てしまいがちですが、「オフライン ラブ」では、そうした恋愛とは全く違った部分を重視していました。すてきな景色をカメラに収めることはできないけれど、だからこそ相手と過ごすその瞬間をもっと大切にしたくなるのです。
会えない時間に1人頭をひねらせ、どれだけ相手と、自分と向き合えるか。そして、運良く待ち合わせることができた好きな人と過ごす時間を、どれだけ大切にできるか。好きな人と会えること、想いを伝えられることがどれだけ貴重な機会であるか、あらためて気づかされます。大好きな人が待ち合わせに現れなかったとしても……約束の重みを、また一つ学ぶことになります。
パフォーマンス重視な恋愛に、少し疲れてしまった方。人が純粋に恋に落ちていく瞬間を見て、恋する気持ちを思い出したい方。すてきなフランスの風景とともに、ぜひ「オフライン ラブ」を楽しんでみてはいかが?
■作品概要
Netflixリアリティシリーズ「オフライン ラブ」世界独占配信中(全10話)
スタジオMC:小泉今日子、令和ロマン 主題歌:グレイシー・エイブラムス 「us. (feat. Taylor Swift)」 制作協力:株式会社イースト 製作:Netflix 作品ページ:https://www.netflix.com/オフラインラブ
(ミクニシオリ)
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