DVDレンタルやゲーム販売などを手掛けるゲオ(名古屋市)で、2021年に売り場をちょっと変えたところ、売り上げが前年比20%ほど伸びた商品があります。それは「DVD-R」。
「えっ、DVD-Rってまだ売れてるの?」「いや、そもそもまだ売ってたの?」などと思われたかもしれません。DVD-Rとは、データを一回だけ書き込めるディスクのこと。テレビで放送されたドラマや映画を録画するために購入した人も多いでしょう。
ただ、店頭などでDVD-Rを目にする機会はめっきり減りました。その理由として、次の4つが挙げられます。
(1)NetflixやAmazon Prime Videoなど定額制サービスで映画やドラマを保存せずに、いつでもどこでも視聴できるようになったから。(2)地上波の見逃し配信(TVerなど)が拡大したから。(3)HDD録画が主流になったことで、DVD-Rに保存する必要がなくなったから。(4)自宅のノートPCやゲーム機にDVDドライブがなくなってきたから。
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こうした理由でDVD-Rの市場は縮小してきたわけですが、なぜゲオではまだ売れているのでしょうか。「テレビで放送されたドラマや映画などをDVD-Rで保存する。そうしたお客さまがまだまだ多いようです。あと、ネットで配信されていない作品を記録するケースも目立ちますね」(ゲオの担当者)
現在、ゲオの店内を見渡すと、テレビやスピーカー、オーディオ、カメラなどさまざまな家電が並んでいます。しかし、以前は、イヤフォンなどを販売する程度でした。
DVD-Rもその近くで販売していたわけですが、コロナ禍の巣ごもり需要を受けて、「家電コーナーではなく、DVDレンタルの近くで販売すれば、売り上げが伸びるのでは?」と仮説を立てて、売り場を変えたところ前年比20%ほどアップしたそうです。
販売数が伸びた背景として、担当者はこのように見ています。
DVDのソフトを選んでいるとき、または借りようと思ったとき、自宅の状況を考える→この映画を借りると、時間の関係で保存しているドラマを見られなくなる→ドラマの最新作は次々に放送される→テレビのHDDの容量が足りなくなるかも→それならDVD-Rを買っておくか――。
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こうした流れで、売り上げが伸びているようです。ちなみに、DVD-Rだけでなく、それを収納するケースもよく売れているそうです。
HDDの容量不足は、時代が変わっても尽きない悩みなのかもしれません。
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