小出峻(San-Ei Gen with B-Max)/2025スーパーフォーミュラ第1戦&第2戦鈴鹿 3月7〜9日に鈴鹿サーキットで行われた全日本スーパーフォーミュラ選手権の第1・2戦。今季のスーパーフォーミュラには5名のルーキードライバーが参戦するが、そのなかのひとり、昨年のスーパーフォーミュラ・ライツ王者である小出峻(San-Ei Gen with B-Max)は、2戦連続で予選Q2に進出するなど、速さをアピールするデビュー戦となった。
小出は7日の金曜フリープラクティスを午前11番手、午後8番手と好調のうちに終えると、8日の第1戦予選でQ1Bグループを4番手で通過。Q2では7番手と、ルーキー勢の最上位グリッドを獲得したが、レースではトラブルもあり真のパフォーマンスを見せることはできなかった。
第2戦は牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、岩佐歩夢(TEAM MUGEN)に続きQ1Aグループを堂々の3番手通過。Q2では「最終シケインで引っかかってしまい」(小出)、消化不良の12番手に終わったが、決勝では8位でフィニッシュしポイントを獲得することに成功した。
第2戦の決勝では、前方のマシンが早めのピットインを選択するなか、コース上にステイ。これは、「前がクリアな状態で走ることにフォーカスした結果」だった。チームとともに最適なピットタイミングと見定めたのは、31周レースの19周目終わり。“後半組”の定石に従い、残る周回ではフレッシュタイヤの利を活かし、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)をオーバーテイクすることにも成功した。
これは、レース前半から後半にかけて、小出のなかでスーパーフォーミュラへの慣熟が進んだ結果でもあったようだ。
「しっかりと走る初レースだったので、レース前半はタービュランスやバトルのなかでどれだけタイヤを使えるものなのかとか、熱やデグラデーションに関してタイヤにどれくらいキャパシティがあるのかという理解がまだ少なく、最初に(タイヤを)使いすぎてしまった部分がありました」と小出。
「そこで後半はしっかりと自分の中でコントロールして、タイヤのパフィーマンスを100%に近い形で引き出すことにフォーカスしました。その結果、わりといいバランスとグリップで継続して走ることができました。(可夢偉選手の)オーバーテイクは、ホームストレートでオーバーテイクシステムを使って、外からまくった感じですね」 レースはセーフティカー先導でフィニッシュを迎えたが、2番手を走る車両に5秒のタイムペナルティが加算されることが決まっていたため、3番手以下のマシンがフィニッシュライン直前で全車との間合いを詰めるという状況となった。
その渦中にいた小出にも当然チームから「しっかりと前にくっついてゴールしてくれ」という指示が出されており、「そこはもう、抜かりなくやりました(笑)」とレアな状況にも落ち着いて対処できたようだ。