
もしも、偶然にも知ってしまった驚きの事実を口止めされた場合、みなさんはいつまでも秘密を隠し続けることができるでしょうか。誰かに言いたくなってしまうのが、人間の性といえるでしょう。
【漫画】 何気なく後ろを振り返ると、そこには…「市長とお抱え運転手」全編を読む
漫画家のミヤギトオルさんが白夜書房のwebマガジン『ミライのアイデア』で連載中の『不思議な丘の人々』シリーズは、ちょっと不思議な世界で起こる不思議な出来事を描くオムニバス形式の作品です。同シリーズの第19話『市長とお抱え運転手』は、運転手が市長の真の姿を目撃する様子が描かれた一作で、ミヤギさんのX(旧Twitter)に投稿されると1.7万もの「いいね」が寄せられています。
ある日の夜、運転手のフレッドは、いつものように市長のゴードンを車で送迎していました。道中で市長の寝息が聞こえてきたため、フレッドは何気なく後ろを振り返ると、そこには市長ではなく、とんがり帽子を被った耳の長い少年がいるのでした。
帰宅後、目にしたことを妻に報告するフレッド。すると、妻は「もしかしたら妖精のしわざかもしれないわね」「市長に化けて…きっと何か企んでるのよ」と言葉をもらました。
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その後、市長は人が変わったかのように森林開発を中止し、さらに建設予定の商業施設やオフィスビルの計画も白紙にしていき…。フレッドが体験する不思議な出来事に対し、読者からは「感動的な結末」「妖精の仕打ちが地味に怖い(笑)」などの反響が上がっています。そこで作者であるミヤギさんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
―『不思議な丘の人々』シリーズの『町の秘密を知ってしまった運転手の話』を描いたきっかけを教えてください。
ドラマ『北の国から』を観ていて思いつきました。ドラマを見終わった後、感動に浸っていて、そのまま漫画のネタ出しを始めてネームを書き上げることができました。「もともとここらは熊の土地だった。それを人間が来て勝手に追い出した」「木は倒される時、大声をあげる」といったドラマの印象的なセリフから物語を発想できたのだと思います。
―作中で特に気に入っている場面があれば、理由と一緒に教えてください。
市長が働かされている森の蒸留所のシーンです。恐ろしい場面のようで、楽しげな雰囲気があるところが気に入っています。
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―ラストのコマに蝶が飛んでいますが、これは作中でたびたび登場した「妖精の蝶」なのでしょうか?
ラストシーンでは妖精の羽と同じ柄の蝶が飛んでいます。妖精なのだとしたら2人を監視しているのかもしれませんし、ただ森のようになった街を飛んでいるだけなのかもしれません…という感じで描きました。
―読者にメッセージをお願いいたします。
いつも漫画を読んでくださっている皆様、ありがとうございます!いただいたご感想からいつもパワーをもらっています。先日、書籍販売サイトのレビューを読んで感激し、苦手だったバトルシーンが一気に描けたことがありました。楽しい漫画を届けられるよう、日々机に向かっています。これからもよろしくお願いいたします!
(海川 まこと/漫画収集家)
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