
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『ガンダム』について語った。
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★今週のひと言「ストレス発散のガンプラ作り。今はガンダムにダダはまり!」
俺は今、来たる4月を楽しみにしている。
それはガンダムの新シリーズ『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』(日本テレビ系)のテレビ放送が開始されるからだ。
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俺がテレビアニメの放送開始をこんなに心待ちにしているのはいつぶりだろうか。
昨年の当連載でガンプラにハマりつつあった当時の心境、ガンプラに対する向き合い方について書いたのは記憶に新しい。
仕事でガンプラに触れる機会を得たことをキッカケに、ガンダムの知識も浅く、ろくにアニメも見ないままにも無心でガンプラを組むだけでも十分に楽しめるそれは、まるで写経のようだと。
そのコラム記事がネットサイト『週プレNEWS』に掲載されると、残念ながらというか案の定というか、コアなガンダムオタクたちからのやぼなツッコミ、ニワカ下げのコメントなどがSNSなどで散見されたが、それは予想どおりだったし、クソくらえだった。
と同時に、自分はそうはなるまい、ガンプラはあくまでヒマ潰しや手先を動かすことでのリフレッシュアイテム以上でも以下でもなく、俺のような新参者を上から抑え込みたくなるほど深みにはハマるまいと自戒していたのだが、今となってはその頃がすでに懐かしい。
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当初ヒマ潰し感覚だったガンプラは、ちょうど知識が同レベルの友人との"俺はこんなん作ったで合戦"が始まり、すぐにヒマを見つけては連日制作するようになる。その結果、本業である楽曲制作やほかにやるべきことを差し置いてまで、もっとガンプラを作りたい!という欲求に駆られるままに年を越した。
当時の心境としては、取りあえず思うままにやりまくればすぐに飽きるだろうとタカをくくっていたのだが、甘かった。
ガンプラの歴史は40年以上だ。ほんの数ヵ月で飽きるようなラインナップではない。
このままではさすがにマズいので、今年に入ってからは1曲作ったら1体ガンプラ作ってヨシのルールを制定。おかげでガンプラやりたさから曲作りのペースも飛躍的に上がったのだが、曲作りに行き詰まると当然ガンプラもやれない。
せめてもの欲を満たそうとYouTubeでガンプラ制作の動画を眺めるのが日課になってしまい、ただ組むだけで満足していたはずが、いつの間にか動画の影響からヤスリがけや、部分的にではあるが塗装にまで手を出すようになってしまった。
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新しいのを組んでいるわけではなく、過去作に手を入れているだけだからセーフでしょという理屈だ。
そのエスカレートの仕方は職業柄近くで何人も見てきた薬物中毒者のソレと同じである。
さらにそれまでは適当に手に入るものでよくわからないモビルスーツを組んでいたのだが、必然的にそのモビルスーツが作品内で躍動する姿が見たくなり、この年にしてガンダムシリーズをファーストから見始めた。
そしてファースト、Z(ゼータ)、ZZ(ダブルゼータ)、逆襲のシャアと時系列順に見終えたタイミングで『ジークアクス』劇場版の公開ときたのだから、ガイダンスを感じずにはいられないのだ。
もともとガンダムのファンである同級生のオッサンとふたりで劇場へも行きましたよ。キャラクターの絵柄こそ現代風にポップになっているが、俺を含む劇場に詰めかけたオッサンたち大喜びの内容で、その時点で日程がアナウンスされていなかったテレビ放送の開始を今か今かと待ちわびているのだった。
撮影/田中智久