送検のため、警視庁戸塚署を出る高野健一容疑者=13日午前、東京都新宿区 東京・高田馬場の路上で動画をライブ配信していた佐藤愛里さん(22)が殺害された事件で、殺人容疑で送検された職業不詳高野健一容疑者(42)が「消費者金融から計100万円を借りた」と供述していることが13日、警視庁捜査1課への取材で分かった。
同課は同日、同容疑者宅を家宅捜索し、佐藤さん宛てを含む計十数枚の振り込み明細書などを押収。借りた金を送金に充てたとみて調べている。
同課によると、同容疑者は「消費者金融2社から計100万円を借りた」「借りた金を佐藤さんに送金した」という趣旨の話をしている。
同容疑者は2022年夏以降、求めに応じ、佐藤さんに計200万円以上を送金したと説明。23年8月には佐藤さんを相手取り、約250万円の返済を求める訴訟を宇都宮地裁に起こし、地裁は同12月、佐藤さんに支払いを命じる判決を出した。
同容疑者は24年1月、「知人に貸した金を返してもらえない。裁判で支払いを命じる判決が下ったが、相手が所在不明になってしまった」と栃木県警に電話で相談していた。
これまでの調べに同容疑者は「金を返さない佐藤さんが今後も配信で稼いでいくことにやりきれなくなった」という趣旨の供述をしており、同課は金銭トラブルが動機とみて調べている。