2025年F1第1戦オーストラリアGP FIA会見 左からマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ) 2025年シーズン最初の木曜会見。第一部には昨年の王者マックス・フェルスタッペン(レッドブル)と、地元オーストラリア出身のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)とジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)が出席した。
Q:まずはチャンピオンから始めましょう。開幕戦に臨む今、あなたとレッドブルはどのような状態ですか?フェルスタッペン:ポジティブな状態だとは思うけど、正確なところはよくわからない。今週末以降に、そのあたりはもっとはっきりするだろうね。もちろんベストは尽くす。でも僕たちにできることはそれほど多くない。短いテストとはいえ取り組むべきいくつかの領域を見つけたので、それを詰めていくだけだ。
「僕たちにできることはそれほど多くない」。5連覇を目指すチャンピオンにしては、驚くほど後ろ向きなコメントに聞こえる。それほど新車RB21のテストでの感触は、よくなかったということか。
Q:オランダメディアに、「優勝を争えるとは思えない」と語っていたそうですね。それはマクラーレンのペースを念頭においたコメントですか?フェルスタッペン:その通りだよ。
しかしマクラーレンのドライバーであるピアストリは、マクラーレン絶対優位という見方に同意していない。
Q:今季のマクラーレンは、ここ数年のレッドブルのような圧倒的な強さを見せると思いますか?ピアストリ:それはないよ。もちろんそうなったら理想的だけど、去年の展開、そして(ほぼ変更のない)技術規則を見る限り、そんな期待は甘いと思う。今シーズンは今までになく接戦が繰り広げられる1年になるだろうね。
ふたりのオーストラリア人ドライバーには、こんな質問が投げられた。
Q:地元レースですが、ジャックはそのプレッシャーにどう対処していますか。オスカーは先輩として、何かアドバイスがあるでしょうか。ドゥーハン:チームと早くから仕事に取り組み始めたし、精神的にも肉体的にも絶好調のオフシーズンだった。なのでそれほどのプレッシャーは感じていないよ。
ピアストリ:アドバイスとしては、とにかく楽しむことかな。母国でのレースデビューは、人生一度きりだ。そしてその週末は、ものすごく忙しい。他のどのグランプリよりも忙しい。でもとにかく楽しむことが大事だと思う。特別なグランプリだから。僕の場合、アルバート・パークから15分ほど離れたところで育ったので、いっそう特別だったけどね。
ドゥーハンにはこんな厳しい質問も出たが、本人は少しも動じることはなかった。
Q:フランコ・コラピントがリザーブドライバーとしてチームに加入したことで、シーズン中のあなたとの交代が取りざたされています。プレッシャーを感じていますか。ドゥーハン:いい質問だね。でも僕はそのことについて、何も考えていない。噂について考えたり、コメントしても意味がないからね。僕には今年と、それ以上の契約がある。もちろんグランプリ週末ごとに、パフォーマンスを発揮しなければならないのはわかっている。僕のシートを狙っているドライバーが、今は4人いるしね。でもオスカーが言うように、とにかく楽しんで走るよ。クルマに乗っているすべての瞬間を楽しみたいからね。
そして第二部には新旧のフェラーリドライバー、ルイス・ハミルトンとカルロス・サインツ(ウイリアムズ)、そして20年前のハミルトンのキャリアをなぞるかのように、トップチームであるメルセデスからいきなりF1デビューを果たしたアンドレア・キミ・アントネッリが登場した。
Q:ルイス、クルマについて一言。自信を抱かせるクルマですか?ハミルトン:間違いなくそう感じているよ。まだ3日間しか走っていないし、自分たちの正確な立ち位置はわからない。カルロスは信じられないほど速かったし、キミも速かった。接戦になるのは確かだろう。とにかく早く、レースで走りたいよ。
Q:カルロス、順調なスタートを切ったようですね。サインツ:間違いなくいいスタートだった。一緒に働く人たちは、このチームを再びトップに導きたいと心の底から願っている。クルマも期待を裏切らなかったしね。トップから0.5秒遅れるか、1秒遅れるかはわからないけど、進歩を見せられたらいいと思っているよ。最終的にどこまで到達するかを見極める。それが今年の基本方針だね。
Q:キミ、デビュー戦の目標は?アントネッリ:難しいね。初めてのグランプリなので、何を期待していいかわからない。ただあまり高い目標は立てたくない。クリーンな週末を過ごし、そこからいいリズムを見つけたいと思っているよ。
ハミルトンにとってはチームメイトのシャルル・ルクレールが、同時に手強いライバルになるだろうことは間違いない。去年までのチームメイト、サインツはルクレールについてこう語っている。
サインツ:シャルルの才能とスピードについては、誰もが知っているよね。それだけでなくチーム内での振る舞い、スタッフへの接し方、フェラーリブランドを世界中に広める点でも、素晴らしい仕事をしてきた。ドライバーとしても、人間としても、この数年間ずっと進化してるよ。
Q:ルイス、あなたは? シャルルのどんなところに感銘を受けましたか?ハミルトン:素晴らしい髪のほかに? 目かな。とにかくイケメンだよ!(笑)。そしてとにかく、仕事に対する姿勢だね。本当に、本当に素晴らしいドライバーだ。今までは知ることがなかったけど、フェラーリで素晴らしい時間を過ごしている。まさにミスター・フェラーリだよ。一緒に仕事ができることを本当に楽しみにしているよ。
ルクレールを「ミスター・フェラーリ」とまで持ち上げたハミルトン。その座を奪おうと野心満々なのは、言うまでもないだろう。
[オートスポーツweb 2025年03月14日]