「子どもを授かりたいという意識が強くなった」35歳女優が感じた“節目”での変化

0

2025年03月16日 09:20  女子SPA!

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

女子SPA!

写真
 俳優の瀧内公美さん(35歳)が、奥山和由監督の最新作『奇麗な、悪』で主演を務めました。芥川賞作家・中村文則による原作の作品で、瀧内さんは自身の壮絶な半生を語る女性をワンカットで見事に演じ上げています。

 瀧内さんは昨年、大河ドラマ『光る君へ』の源明子役が話題となり、最近でも金曜ドラマ『クジャクのダンス、誰が見た?』の女性検事役を好演。次期NHK連続テレビ小説「あんぱん」にも出演するなど、飛ぶ鳥を落とす勢いの活躍を見せています。まさに時の人、瀧内さんにお話を聞きました。

◆脚本を読んで衝撃を受けた

――今回の『奇麗な、悪』は、主人公のひとり語りで展開していくなど実験的な色合いも濃い作品でした。オファーを受けてどう感じられましたか?

瀧内公美(以下、瀧内):お話をいただいて脚本を拝見したのですが、「え、どういう映画になるの!?」とかなり衝撃を受けましたね。奥山和由さんと言えば、わたしの中では北野武監督の初期三部作を手がけた方というイメージでしたので、出演するかどうかは別として、ちょっとお会いしてみたいなとも思ったんです。

――脚本の印象についてはどうでしたか?

瀧内:この女性の独白は、本当のことなのかウソなのか、どちらなのか分からない、という印象でした。人としての面白さみたいなところが、起こった出来事への彼女なりの解釈で感じました。これだけ語っているのに、何故か余白を感じる。こちら側に自由な解釈を委ねさせているような。そして、彼女がこれだけ語り続けなければならなかったことに、一個人として面白さを感じた部分もありました。奥山監督が多少アレンジしたかった部分以外は、原作そのままに近い感じになっていたと思います。

◆演じる上で「言葉に色をつけすぎないように」

――自由な解釈が許されるだけに、何に気をつけて演じようと思いましたか?

瀧内:できるだけフラットに言葉を届けることです。あれだけ自分のことをこと細かに話し続けて。本当にあった出来事なら、悲惨すぎてあんなに細かく話せないと思いました。そこは気になりましたね。本当は思い出したくないことだし、「今日は全部話しますね」という素直さも含め、わたしの中では承認欲求の強い人なんだろうなと思いました。だからこそ、演じる上では言葉に色をつけすぎないようにしようと思いました。

――そういう見方をすると、シチュエーションは極端なのですが、彼女に共感できる部分もありますね。

瀧内:そうですね。わたしが仕事をする上で「この役、瀧内さんにどうしてもお願いしたい」と言っていただいて「お願いしてよかったです!」と言っていただければうれしいですし、多少その感覚と似ているのかな、と。彼女は自分の人生を一生懸命まっとうしたいんだろうな、とも思いました。

たとえ彼女の独白がウソだったとしても、それをあれだけ話し続けることは、誰かを振り向かせる意思がないと到底、話せないことだろうなと思うんです。「わたしはここにいる」という。だから、ラストのあるセリフにすべての意味があるというか、誰に問いかけているのだろうかと。解釈はみなさんに委ねたいですけれども。

◆芸能活動13年は「衝撃」

――2025年で芸能活動13年ですね。

瀧内:衝撃です(笑)。早いです。もう13年もやらせてもらったのかと。

――最近の大活躍については、ご自身ではどう受け止めているのですか?

瀧内:みなさんにそう言っていただけるのですが、実感がともなっていないですね。ゆったりとやってきているので、自覚が薄いのかも知れません。それこそ大河ドラマをやらせていただいたことで自覚を持つようになりましたけど、何をやっていても演じることの面白さは変わらないです。特に専門職の役が面白いですね。取材に行くのが大好きなんですよ(笑)。

――それは役作りのことですね。

瀧内:今、検事の役を演じさせてもらっているのですが、普段検事の方に会うことってなかなかないですよね。普段どういった生活をなさっているのか、お話を聞かせてもらいたくて、お会いさせていただいたり、裁判所に調停を聞きに行ったり。そういう取材が好きなんでです(笑)。

◆「34歳までは浮かれていたような気がしますが…」

――知名度上がったことでどういう影響がありましたか?

瀧内:個人的には、特別なにかが変わったことはないのですが。それでもまわりの反響を見て、感覚的に変わっていく時期なんだろうなとは、去年初めて感じたことではありました。これまで以上に責任感、自覚を持つようになったと思います。

――30代後半はどのように過ごしたいですか?

瀧内:2〜3か月くらい前に30代後半になったのですが、女性は節目みたいなものでちょっと変わることもありますね。四捨五入で34歳までは浮かれていたような気がしますが(笑)、今はちょっと違う感じはしています。

◆結婚して子どもを授かりたいという意識が

――それは具体的に聞いても?

瀧内:今は自由な時代で、人それぞれどういう人生を歩むかだと思うのですが、結婚をして子どもを授かりたいという意識が強くなりました。ご縁もありますが、そこへの意識は芽生えましたね。と、言いつつお仕事も楽しいので、自分のやりたいことと、自分の生活がどういうふうに交わっていけるだろう、ということは考えますね。

――そこも含めて今後の展望はどのように考えていますか?

瀧内:そうですね、二つあるかな。お仕事はずっと続けていきたいとは思う。プライベートとしては子どもを育てたいという想いはあります。それがいつかは分からないけれど、その上で生活を大切にしていきたいという気持ちが強いですかね。展望というか、そうなったらいいなあと思っているところです。

<取材・文/トキタタカシ ヘアメイク/董氷 スタイリスト/佐々木悠介>

【トキタタカシ】
映画とディズニーを主に追うライター。「映画生活(現ぴあ映画生活)」初代編集長を経てフリーに。故・水野晴郎氏の反戦娯楽作『シベリア超特急』シリーズに造詣が深い。主な出演作に『シベリア超特急5』(05)、『トランスフォーマー/リベンジ』(09)(特典映像「ベイさんとの1日」)などがある。現地取材の際、インスタグラムにて写真レポートを行うことも。

    ニュース設定