グローバルなモバイル業界団体GSMAは3月14日、RCS(Rich Communication Services)の新たな仕様「Universal Profile 3.0」を発表した。この仕様には、MLS(Messaging Layer Security)プロトコルに基づいたエンドツーエンド暗号化(E2EE)が含まれており、iPhoneとAndroid端末など、異なるプロバイダーのクライアント実装間での相互運用可能なE2EEをサポートする。
米Appleと米Googleは共に、この新しいRCSをサポートする意向を表明した。
GSMAは昨年9月、AppleのiPhoneとGoogleのAndroidの間で送受信されるメッセージで、E2EEを有効にする作業を開始したと発表している。
Appleは昨年、「iOS 18」でRCSをサポートしたが、RCSに相互運用可能なE2EEが含まれていなかったため、iPhoneではRCSメッセージと並行して独自の「iMessage」の提供を継続している。iMessageで送受信するメッセージは青いフキダシだが、E2EEをサポートしていないRCSメッセージやSMS/MMSメッセージのフキダシは緑にしている。
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AppleはGSMAの発表を受けて、米The Vergeなどに対し、「GSMAが公開したRCSへのE2EE導入の業界横断的な取り組みを主導できたことを嬉しく思う。今後のソフトウェアアップデートで、E2EE対応RCSメッセージのサポートを、iOS、iPadOS、macOS、watchOSに追加する予定だ」と語った。
Googleは既に「Googleメッセージ」でRCSに対応したE2EEを提供しているが、このE2EEはMLSではなく、Signalのプロトコルを採用している。GoogleはThe Vergeに対し、「モバイルエコシステムと連携し、この重要なユーザー保護をクロスプラットフォームのRCSメッセージングに実装できるよう、できるだけ早く取り組んでいく」と語った。
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