
超人たちが34年ぶりに東京へ!今年9月に開幕する「東京2025世界陸上」を前に、これまで歴史に名を刻んだ伝説のアスリートたちを紹介します。今回は1999年世界陸上セビリア大会でマイケル・ジョンソンが“43秒18”の世界記録を出した、男子400mに注目します。ジョンソンが“長い間待ち続けていた記録”を手に入れた瞬間でした。
【写真を見る】マイケル・ジョンソン「スタートした瞬間、確信した」いまなお歴代2位の好記録!400m43秒18、驚異の世界新【1999年世界陸上】
東京大会から始まったMJ伝説オリンピック™ で4個、世界陸上で8個の金メダルを獲得したマイケル・ジョンソン。ジョンソンが初めて世界陸上に出場したのは1991年世界陸上東京大会で、男子200mのレースに出場し金メダルを獲得しました。1993年の世界陸上シュツットガルト大会では400mと4
×400mリレーで金メダル。さらに1995年の世界陸上イエテボリ大会では200mと400mの2冠を達成し、1996年のアトランタ五輪では200mで世界記録もマークしました。
残るターゲットは400mの世界記録のみとなったジョンソン。しかしアトランタ五輪後の1997年、1998年と43秒台前半の記録はなく、世界陸上セビリア大会1か月前のストックホルムで行われた試合も途中棄権し、前年から続いていた連勝記録もストップしてしまいました。
記録への執念…会場も観客も味方に付けた圧巻の走りセビリアで大会前、会見に臨んだジョンソンは「(ストックホルムの後)2日間休んだだけですぐに回復した。アトランタ五輪以後では最高の状態なんだ」とコメント。それを証明するようなレースとなりました。
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5レーンでスタート準備に入ったジョンソン。一斉にスタートを切り、すぐに先頭に立つと、200m過ぎたあたりから2位の選手との差がどんどん開いていきました。レース前からジョンソン以外に43秒台を狙える選手はいなかったため、金メダルは確実と言われていました。300mを31秒66で通過すると独走状態になり、記録への執念が最後の直線でもジョンソンの脚を動かしていました。そして長い間待ち続けた世界新記録(43秒18)と共に4大会連続の金メダルとなったのです。
ジョンソンはこのレースを振り返り「この大会は世界記録のチャンスだと思っていたんだ。スタジアムも観客も最高の雰囲気だった。スタートして次の瞬間には(世界記録を)出せると確信して走っていた」と語りました。
陸上豆知識 Q.日本で初めて400m入賞を果たしたのは?世界陸上の400mで日本人が初めて入賞を果たしたのは、1991年に東京で開催された第3回大会の高野進さんでした。決勝は45秒39で、日本人初となる7位入賞。現在まで、400mで入賞した日本人選手は、高野さんただ一人です。
高野さんは大会前、同年6月に行われた日本選手権で44秒78の日本記録(当時)を樹立していました。この記録は30年以上破られていませんでしたが、2023年の世界陸上ブダペスト大会で佐藤拳太郎(当時28)が44秒77をマーク、高野さんの記録を0秒01上回り、32年振りに日本記録を更新しました。それでも高野さんの記録は、日本歴代2位(25年3月現在)の好記録です。
【日本人選手】
◆佐藤拳太郎(30、富士通)44秒77
2023年世界陸上ブダペストで32年ぶりに日本記録を更新
◆佐藤風雅(28、ミズノ)44秒88
日本歴代3位
【外国人選手】
◆マイケル・ノーマン(27、アメリカ)43秒45
世界陸上オレゴン・金
◆アントニオ・ワトソン(23、ジャマイカ)44秒13
世界陸上ブダペスト・金 (ワイルドカード)
◆クインシー・ホール(26、アメリカ)43秒40
パリ五輪・金、世界陸上ブタペスト・銅
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※東京世界陸上への出場は未確定
※名前の後ろは自己ベスト