M.マルケス「限界まで追い込んでくれた」と語る兄弟対決のターニングポイント/第2戦アルゼンチンGP

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2025年03月17日 16:20  AUTOSPORT web

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アレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)とマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)/2025MotoGP第2戦アルゼンチンGP
 3月16日、2025年MotoGP第2戦アルゼンチンGP MotoGPクラスの決勝レースがアウトドローモ・テルマス・デ・リオ・オンドで行われた。終始、白熱した兄弟対決を制したマルク・マルケス(ドゥカティ・レノボ・チーム)のターニングポイントは5コーナーにあったという。

 マルク・マルケスは、今季からサテライトチームからドゥカティのワークスチームであるドゥカティ・レノボ・チームへ移籍し、開幕戦タイGPではポールポジションを獲得しスプリントと決勝ともに優勝を果たした。緒戦からまさに絶好調な状態を維持したまま第2戦アルゼンチンGPへと乗り込み、初日のフリー走行1回目とプラクティスでともにトップで終える好調ぶりを発揮。

 さらに土曜日の予選Q2ではオールタイムラップレコードを更新する1分36秒917をマークし、堂々のポールポジションを獲得した。スプリントでも弟であるアレックス・マルケス(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)の追跡を受けながらも、一度も譲ることなく見事勝利を手にした。

 レース終了後には「最後まで限界まで僕をプッシュしてきたんだ。コンディションが良いと分かったからもう少しプッシュしたけど、最終ラップではグリップが弱まってしまった」と弟であるアレックス・マルケスの戦闘力も賞賛。さらに、日曜日の決勝レースでも強敵になることを予想し、タイヤ選択と好スタートを決めることが鍵となるとも語っていた。

 迎えた決勝では、予想通り兄弟の直接バトルが展開されることとなった。マルク・マルケスが好スタートを決めて有言実行となったものの、オープニングラップから接戦となり、4周目にはアレックス・マルケスに先頭を譲る形に。序盤から中盤にかけてややリードを築かれる形とはなったが、少しずつその差を埋めつつオーバーテイクの機会を伺う。

 終盤に差し掛かった残り8周の5コーナーで、マルク・マルケスがほんのわずか前に出ることに成功したが、ややミスがあり2番手に順位を戻す。それを挽回するかのように、20周目というのにも関わらず1分38秒243というファステストを叩き出して弟を追撃すると、残り5周でもう一度勝負に出た。

 1度目オーバーテイクポイントと同様に5コーナーで仕掛けると、首位奪還に成功しラストスパートをかけていく。スプリント終了時点で弟のアレックス・マルケスが強敵になると予想していたマルク・マルケスは、終盤に向けてタイヤライフを温存していたのか、みるみるうちにリードを広げて見事優勝を手にした。1度目は失敗したものの、2度に渡って同じ場所でオーバーテイクを仕掛けたのには理由があったという。

 マルク・マルケスは「アレックスは僕を限界まで追い込んでくれたよ。僕たちはふたりとも1分38秒台前半でラップすることができていたし、本当に違いが生まれていたから、彼を追い抜くのは簡単ではなかった。だから、唯一の場所は5コーナーだったんだ。1回目はワイドになってしまったけれど、2回目にオーバーテイクを試した時は彼にかなり近づいたから維持できたんだ」と説明。

 今回の決勝レースにおける2度に渡っての5コーナーでのオーバーテイクは、彼にとってのターニングポイントとなったことだろう。また、開幕戦ではタイヤ圧を懸念し、アレックス・マルケスを一度前にという作戦を遂行。今回においても決勝レースでの展開を事前に予想し、終盤に向けてタイヤを温存していたことが結果にも結び付いている。また、今回全てのセッションに終えて首位で終え、オールタイムラップレコード、ベストレースラップもマークしてパーフェクトウインを収めてまさに完璧なウイークを過ごした。

 そんなマルク・マルケスは、前回のタイGP、今回のアルゼンチンGPを見ても一枚上手と言えるが、そんな彼はすでに次戦に向けて自信を抱いているようで「チームが素晴らしい仕事をしてくれたから、僕は満足しているよ。今回はブリーラムほど完璧なコンディションではなかったし、ライディングもスムーズではなかったけれど、ラップタイムを出せたことこそが重要だ。特に今の状況を考えると、オースティンでの次のレースウイークエンドが待ちきれないよ!」と語った。

 次戦となる第3戦アメリカズGPは、彼の得意とする左回りのサーキット・オブ・ジ・アメリカでの開催となる。絶好調なマルク・マルケスが、どこまで完全勝利の記録を伸ばし、どのような戦力でライバル達を圧倒するのか期待したいところだ。

[オートスポーツweb 2025年03月17日]

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