「僕を押しのけた」「自分で撒いた種」GTDの雌雄を決するバトルを当事者たちが振り返る/IMSA第2戦

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2025年03月17日 18:20  AUTOSPORT web

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12号車レクサスRC F GT3(バッサー・サリバン)と57号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング) 2025年IMSA第2戦セブリング12時間
 バッサー・サリバン・レーシングのジャック・ホークスワースは、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権第2戦『モービル1・セブリング12時間レース』でウインワード・レーシングがGTDクラス優勝を勝ち取ることに直結したレース終盤のフィリップ・エリスとの接触に「明らかに失望した」と語った。

 エリス、ラッセル・ワード、インディ・ドンチェのトリオがシェアした57号車メルセデスAMG GT3エボは、3月15日(土)に決勝が行われたフロリダの耐久クラシックレースの第2ラウンドでクラス優勝を果たしたが、この勝利はエリスが最後の1時間でホークスワースの12号車レクサスRC F GT3をオーバーテイクしたことによって実現した。

 決定的な動きは、ふたりのドライバーが数周にわたってバトルを繰り広げた後に起こった。一時的にスローダウンしていた3号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rにホークスワースが追いついた瞬間、エリスはチャンスを得た。

 エリスは直後のターン5でホークスワースに勝負を仕掛る。このとき57号車メルセデスの右フロントと12号車レクサスの左リヤが接触し、後者は大きくスライド。その隙にスイス人ドライバーがクラストップに躍り出た。

 レース後、ホークスワースはこの動きに不満を示したが、メルセデスAMGの力強いペースがあれば、いずれどこかの時点でオーバーテイクを許していた可能性があったと付け加えた。

「腰と肩(クルマのサイド部)であれば気にしないが、彼は僕のクルマの後ろにぶつかってきて、押しのけた」とイギリス人ドライバーはSportscar365に語った。

「もちろん、がっかりしている。でも、彼らは本当に速かったし、少なからず『どうせ勝つだろう』と思っていたのも事実だ」

「とはいえ、僕たちにとっても今日のレースはとても良かった。チームのみんなは完璧に仕事をこなしてくれた。僕たちは本当にそれを必要としていたんだ」

「パーカー(・トンプソン)は素晴らしい走りを見せ、僕にリードを与えてくれた。フランキー(・モンテカルボ)はその前に素晴らしいスティントをいくつかこなした。チーム、ピットストップ、すべてがうまく機能していて、デイトナ24時間レースの後は本当にそれが必要だった」

「だから、これから先、何かを築いていけるものがあると感じている。だからこそセブリングで勝てたらよかったのにと思うよ」

「(エリスのペースは)僕たちよりも速かったので、最後の9周でプレッシャーをかけようとしていた。ずっとプレッシャーをかけられていると、ポジションを失う可能性がつねにある」

「でも、もしかすると僕たちは持ちこたえられていたかもしれない。実際にはわからないけどね」

 ホークスワースとの接触について見解を尋ねられたエリスは、「僕も1位を失ったらうれしくない。彼がそれに満足していないのは理解している」と答えた。

「正直に言うと、数周前のターン7で彼が僕に与えたものを、僕はただ彼に返しただけだ」

「ジャック(・ホークスワース)のことはみんな知っている。彼をとても尊敬している。彼は素晴らしい人だ。しかし、それが彼のレースのやり方でもある。蒔いた種は刈り取るものだ」


■セブリングにばっちりハマった57号車

 エリスとドンチェとともに表彰台の頂点に立ったワードは、テキサスチームによるセブリング2連覇の重要性を称え、勝利はいくつかの要因の結果であると述べた。

「準備はすべてショップで行われている」と彼は言った。「ウインワード・レーシングのすべてのスタッフに感謝している。フルタイムのスタッフはクルマを完璧にするために昼夜を問わず働いている」

「クルマは本当にこのトラックによく合っている。タイヤにも優しい、暑さに強い、そして信頼性がある」とワード。

「トラックを走り続ければ、レースに勝つチャンスは充分にある。最後に混戦となった上位3台のクルマを見れば、誰も大きなミスをしていない。こうした耐久レースで本当に重要なのは、一貫性と最後の2時間にそこにいることだ」

 なおウインワードは、ピットストップ中にクルーが壁の後ろからクルマを修理したためドライブスルーペナルティを受け、これによりつまずいたように見えた。

 ペナルティの消化後57号車メルセデスは順位を落としたが、エリスがクルマをふたたび競争に復帰させた。

「ペナルティを受けたとき、ほとんどのクルマに対してかなりリードしていた」とエリスは説明した。

「実際にドライブスルーを果たした後でも近くに2、3台いたと思う。そして、その時点で全力でプッシュし、できるだけ多くの時間を取り戻して以前のポジションに戻ろうとしていた」

「フルコースコーションは僕らにとって少しラッキーだった。おかげで僕たちは基本的にゲームに復帰することができた」

[オートスポーツweb 2025年03月17日]

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