篠崎愛&みくのしん“読書苦手あるある”を語り合う 『32歳がはじめて本を読む』はなぜ読みやすい?

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2025年03月17日 19:10  リアルサウンド

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(左から)かまど、篠崎愛、みくのしん

 多彩な活動で知られるグラビアアイドルの篠崎愛は、読書が苦手でこれまでに本を読んだことがないとのこと。そんな篠崎が話題書『本を読んだことがない32歳がはじめて本を読む』(大和書房)の著者・かまどとみくのしんと特別鼎談を行った。前編では、本書を読んだ感想について語り合った三人だったが、後編では、本に対する苦手意識や読書好きな人々についての率直な思いにまで話が及ぶ。篠崎は本書を通して、本の苦手意識は克服されたのだろうかーー。



■盛り上がった座談会! 前半はこちらをチェック


どうしても本が読めなかった理由

みくのしん:篠崎さんとお会いできて、「自分以外にも本に対して同じことを思ってる人がいたんだ!」と思えました。僕の周りには本読みが多いから、共感してもらえないんですよ。こっちも恥ずかしくてなかなか言えないし。


かまど:本人からすると「本が読めない」ってオープンにしづらいから、共感し合う機会も少ないんだろうね。


みくのしん:オープンにしても信じてもらえないんだよ。「僕、本が読めないんです」と言うと「そんなわけない」「なんだかんだ言って、子どもの頃に何冊か読んでるもんでしょ」とか言われるんです。


篠崎:分かる! 「読めないわけがない」って思ってる人、多いですよね!


みくのしん:「面倒くさがってるだけだろ」とか言われません? でも、ほんっっっっっっっっっっっとに読めないんです。これが運動とかスポーツだったら、「そりゃできない人もいるよね」って言ってもらえるのに、読書になると、どうして分かってもらえないんだろ?


かまど:本が読める人は、努力して読書スキルを獲得してないからじゃないかな。僕もついやっちゃうんだけど、「自分が普通に読めるんだから、相手もそうだ」と思ってしまうというか。
でも、そういう心無いことを言われたら、本のことを嫌いになってもおかしくないのに、みくのしんは本に対する憧れはずっと持ち続けてたんだよね。


みくのしん:だって、本が読めたらカッコいいじゃん。篠崎さんもそう思いません?


篠崎:分かります。電車の中で本読んでいる人とか、カッコいいですよね〜。


みくのしん:うわ〜! 僕も全く同じこと思ってますよ! 篠崎さんもこれまで全然本を読んだことはなかったんですか?


篠崎:小説はないですね。1ページごとに2行くらいしか字がない恋愛の名言集みたいな本は読んだことがある気がするけど……それも全部は読めてないと思います。めっちゃ飛ばしちゃってたし。


みくのしん:わかる……!


5行以上の文章は「本」

篠崎:「字だけ」というのが無理なのかもしれません。やっぱり音や絵が欲しいなと思ってしまうんです。


みくのしん:僕も長い文章だと読めないです。メールとかもきついですね。それだと「本」になっちゃうんで。


かまど:みくのしんは5行以上の文章を「本」と呼ぶクセがあるよな。


みくのしん:仕事のメールでも「本」になっちゃってるときは、かまどに解説してもらうんです。


かまど:篠崎さんは、本を読まないことで、何か不都合を感じたことってあります?


篠崎:私は演技の経験もあるんですけど、台本を読むのが難しかったりはしましたね。親に読んでもらって、音で台詞を覚えてましたから。


みくのしん:「本を読んでない=教養がない」みたいな決めつけがありますよね。あとずるいって思うのが、本を読んでる人たちって、本から得た情報を自分のものとして使ったりするじゃないですか。なんかカッコいい言葉使ってると思ったら、実は本で読んだ言葉でした……みたいな。


かまど:語彙が増えることを盗人みたいな言い方しないでよ。


みくのしん:「ずるい! 俺もしたいな」って思うんですよ。だって最近見たテレビから話を持ってきたら「あそこから取ってきたな」って、元ネタがすぐにバレるじゃないですか。でも本はめっちゃあるから、絶対にバレないし頭良さそうに思われる。いいことしかない。


かまど:だいぶ偏ったイメージだ。でも、そう思うのなら、それをモチベーションにして本を読むのもいいんじゃない?


みくのしん:でも、実際読み始めると「かまどに聞かなきゃ」になっちゃうんだよ。僕はかまどがいないと読書できないんです。


かまど:そんなことはない。


正義の本読みと悪の本読み

かまど:本を読んでる人の全員が語彙力のある人ばかりってわけではないと思いますよ。個人的には、あまり関係ない気がする。


篠崎:でも、本が読めないと知ると、「言葉を知らないんだ」「頭が悪いんだ」みたいな決めつけしてくる人いません?


みくのしん:それは過激派というか、悪の本読みなんですよ。正義の本読みはそんなことしないのかも。


かまど:(正義の本読みって何?)


みくのしん:あと、語彙力がないと、仕事に支障が出ることもありますよね。


篠崎:あ、そういえば、みくのしんさんはライターさんなんですよね?


みくのしん:そうなんですよ。実は僕、ライターなんです。


かまど:字を読むのが苦手な人が、字を書く仕事をしてるって意味不明だよな。


みくのしん:インタビュー記事を担当することもあって、毎回気絶しそうになりながら書いてます。こないだ、ちょっとでも楽をしようと思ってAIの文字起こしツールを使ってみたんです。そしたら文字起こしのデータが3万字もあったんです。「え、嘘!?」と思って。


篠崎:音声データが「本」になっちゃったんだ。


みくのしん:これは盲点でした。結局自分でイチからやることになりました。


本を読めない人で集まりたい

ーー篠崎さんは今日お二人と話していかがでしたか?


篠崎:すごく楽しかったです! 本当にお二人とも本の中の人のままでした。しかも、本が読めないことについて、こんなに共感し合いながら話せる事なんてなかなかないので。貴重な機会でした。


かまど:こちらこそ貴重な機会でした。読書が苦手な方に、僕らの本を読んでもらえて、しかも楽しんでもらえて、さらに感想までいただけるなんて。それが一番嬉しいです。


みくのしん:僕は、本が読めない人とお会いできたのが嬉しかったです。本が読めない悩みは結構似てるなと思えたし、「俺は一人じゃない!」と思えてすごく嬉しかったです。同じような人ももっといるのかもしれないし、みんなで集まってみたいと思いました。


 あと、篠崎さんは「一房の葡萄」はちょっと難しかったと言ってましたけど、僕はむしろ読みやすかった印象だったりするんですよ。だから、一口に「本が読めない」と言っても感想は人それぞれで違うことを改めて知りました。


篠崎:本を読むのが苦手な人同士で語るってないですよね。


みくのしん:それが新鮮で。嬉しかったし、楽しかったです。


かまど:できればこれをきっかけに、「次、なんか本を読んでみようかな」と思ってもらえたら嬉しいです。


篠崎:そうですね。どんな本がいいだろう。


かまど:身内を褒めるわけじゃないですけど、雨穴の作品は、読みやすくて面白いですよ。丁寧に画像が挿入されたり、章ごとに分かれてたりして、読むハードルをしっかり下げてくれるので。


篠崎:あ! それはいいですね! この本も章で分かれていたので、途中で休憩しやすくて助かりました。読書が苦手な人って、いつ休んでいいかわからなかったりするんですよ。


かまど:じゃあ、まさに雨穴の作品はオススメですね。「読みやすい」というと、子ども向けとか初心者用みたいなイメージになりがちなんですけど、内容もしっかり面白みが詰まってますし。


篠崎:そうなんですね! 読んでみようかな〜。


みくのしん:篠崎さんが急にレベルアップしたらどうしよう。これをきっかけに、篠崎さんのプロフィールが「趣味:読書」になったら焦りますよ。「置いてかないでくれ!」って思う。



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