勝てば史上最速W杯出場も…田中碧が“いつも通り”な理由「毎試合勝ちを目指すのは日本代表の宿命」

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2025年03月18日 00:10  サッカーキング

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始動日は室内調整で汗を流した田中碧 [写真]=JFA
 日本代表は17日、FIFAワールドカップ26アジア最終予選の第7節バーレーン代表戦、第8節サウジアラビア代表戦に向けて、千葉県内で始動。早ければ次節のバーレーン戦を勝利することで8大会連続8回目のワールドカップ出場が決まるの状況なか、MF田中碧(リーズ/イングランド)は何よりも“結果”にこだわる姿勢を示している。

 昨年9月に開幕した最終予選も後半戦に突入しているが、日本代表はここまで5勝1分と無敗で駆け抜けているだけでなく、22得点2失点と圧倒的な強さを誇示。2位のオーストラリアに勝ち点差「9」を付けて首位を快走中で、“史上最速”でのワールドカップ出場権獲得に王手をかけた。

 だが、そんなの状況下でも田中のメンタルがブレることはない。勝ってワールドカップ行きを決めることに「そんなにこだわっていない」と言う。この言葉だけを切り取ると誤解を招いてしまうかもしれないが、これは田中が代表選手として大事にしてきた考え方があった上での発言だ。

「親善試合だろうが、最終予選だろうが、毎試合勝利を目指すのは、日本代表として戦う宿命だと思っています。それは相手が強かろうが、弱かろうが、関係はありません。なので、そこ(勝ってワールドカップに行くこと)はそんなに意識していなくて、あくまでも目の前の試合に勝つことを意識しています」

 代表選手としてだけでなく、田中は1人のサッカー選手としても、チームの結果に何よりもこだわっている。「個人的には、勝てば何でもいいと思ってるんで」と明かした田中は、「もちろん、理想のサッカーをして勝てればいいんですけど、勝つことで得られる重要性もある」とした上で、「極論ですが、内容が良くて負けるよりは、内容が悪くて勝つことも、サッカーにおいては重要」と主張。続けて、自身の考えを次のような言葉で明かす。

「毎試合、自分たちの求めるサッカーが完璧にできるわけではないです。自分たちが悪いというよりも、相手がすごく良くて、自分たちがやりたいことをやれない、自分たちに流れが来ない試合もあります。そんな試合でも、たとえばセットプレー1発だったり、後半途中から入ってきた選手が急に流れを変えたり、いろんなアクションを起こして勝ちに持っていくことはできる。ワールドカップなどの代表戦でも、クラブチームの試合でも、そんな“底力”はチームとして重要かなと感じています」

 前提として、内容をよくすることの目的はあくまで勝利なのだから、“内容か結果か”といった話は、二者択一で語るべきものではない。内容を良くするためには、チームとしての戦術の深化、個人の成長といった日々の積み上げが必要不可欠。加えて、相手の存在を無視できないサッカーという競技において、相手を上回るためにできる事前準備もある。

 だが、田中がここで主張していたのは、実際に“その試合”、90分間の中で勝利をもぎ取るためにできる工夫のこと。戦前の想定とは異なる戦況を強いられること、キックオフ後に不慮のアクシデントが発生することもサッカーでは稀ではないが、実際にピッチに立つ選手やベンチは、そんな中でも勝利を追い求めなければならない。そうした経験が、1つの成功体験として将来に繋がり、“底力”を手にできるケースもあるという類の話だ。

 毎試合毎試合、最善の準備を尽くした上で、ピッチの上では勝利に何よりもこだわる田中だからこそ、勝てばワールドカップ出場が決まる試合であろうと、「心境の変化はそこまでない」と言う。目の前の試合に勝つための準備を続けることが、試合の中で勝つための工夫を凝らすことが、個人とチームの成長につながり、来年のワールドカップで結果を残すための手がかりを得られると感じているからだ。

「個人としては目の前の試合にフォーカスしていますし、自分たちチームが掲げている目標も高い。そういった意味では、結果に一喜一憂するよりも、目の前の試合に勝って成長を続けて、より強い集団に、個人としてはより強い選手になりたい。それがワールドカップにも繋がってくると思うので、そのための準備ができればと思っています」


【ハイライト動画】日本代表、最終予選でのここまでの道のり


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