マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百五十二回 「茨城スタミナラーメン」のカップ麺「カップスター」と「凄麺」
文・写真：オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百五十二回目となる今回は、茨城県で親しまれているご当地ラーメン「スタミナラーメン」の味を再現したカップ麺、サンヨー食品の「カップスター 茨城スタミナラーメン」とヤマダイの「凄麺 茨城スタミナラーメン」を紹介します。
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「茨城スタミナラーメン」は全国的に見るとそれほどメジャーなご当地麺というわけではないですが、「カップスター」は2025年2月に、「凄麺」は3月に相次いで発売されました。
「茨城スタミナラーメン」を再現した「カップスター」（左）と「凄麺」
「茨城スタミナラーメン」のカップ麺が相次いで発売
「茨城スタミナラーメン」は、茨城・ひたちなか発祥のご当地ラーメン。
茨城名物の野菜やレバーなどを使った甘辛味のあんかけラーメンで、現在はひたちなかや水戸を中心に供されています。「スタミナラーメン」といえば、奈良・天理や埼玉・さいたまのものがカップ麺化されており、特に奈良・天理のスタミナラーメンは�狷猯匹離愁Ε襯奸璽畢瓩箸靴匿討靴泙譴討い泙后�
一方で、「茨城スタミナラーメン」がカップ麺化されたのを筆者は見たことがありませんが、茨城県内ではもう50年近くも続くおなじみのご当地ラーメンとのこと。
筆者は今回のカップ麺で「茨城スタミナラーメン」の存在を初めて知りました。
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茨城は野菜・果物全般の生産が盛んで、スーパーに行くと茨城産の野菜だらけで驚くこともあります。
そのため、茨城のご当地ラーメンに野菜が使われるのは必然といえ、茨城らしいメニューと言うことができそうです。
とろみ甘辛スープ！「カップスター 茨城スタミナラーメン」
サンヨー食品「カップスター 茨城スタミナラーメン」
まずは、サンヨー食品の「カップスター 茨城スタミナラーメン」。
筆者は20年近くカップ麺を食べ続けていますが、「茨城スタミナラーメン」のカップ麺が発売されたのを見るのはこの商品が初めて。
定価は税別214円で、スーパー等では100円ちょっとで売られていることもある安価なカップ麺となっています。
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「カップスター 茨城スタミナラーメン」完成
とろみのついた甘辛醤油味のスープに、中細で縮れのついた油揚げ麺と、肉そぼろ、キャベツ、ニンジンといった具が合わせられています。
麺量は50グラムでやや少なめですが、安価なカップ麺なので致し方ないところ。
スープはとろみ強め
スープは強めの甘みとピリ辛程度の辛味がつけられた醤油味。
強めのとろみをつけることで、きちんとあんかけ風に仕上げられています。
とろみの強さがスープの甘辛味を増幅させ、濃厚感が強く感じられました。
さいたまの「スタミナラーメン」も麺にあんかけをかけるので共通しています。
具は肉そぼろ、キャベツ、ニンジン
具は、肉そぼろ、キャベツ、ニンジン。
キャベツやニンジンは多くの「茨城スタミナラーメン」にも入っており、今回特にキャベツはしっかり量も入っています。
ただ、「茨城スタミナラーメン」の大きな特徴であるレバー（もしくはホルモンの場合もあり）が入っていないため、スタミナラーメンの割にはあまり力強さを感じない具の構成でした。
それに加えて、他地域のスタミナラーメンに入っているニンニク、ニラ、白菜等がないためか、ややスタミナ感には欠ける印象でした。スープの甘みが強いため後を引く味ではあるのですが......。
充実の野菜！「凄麺 茨城スタミナラーメン」
ヤマダイ「凄麺 茨城スタミナラーメン」
続いては、ヤマダイの「凄麺 茨城スタミナラーメン」。
本社や工場が茨城県にあるヤマダイ。以前「凄麺」で「茨城けんちんそば」を再現したことはありましたが、茨城のご当地ラーメンの再現は筆者の知る限りは初だと思われます。
地元のご当地麺のカップ麺化にはかなりの気合を入れたのではないでしょうか。
公式サイトでも「県民待望の一杯」として、「100万倍ぐらいに開発ギアを上げ」商品開発を進めてきたとアピールしています。
価格は税別255円で「カップスター」に比べると高額ではあるものの、「凄麺」ブランドは全般的に、本格的なノンフライカップ麺としては他社のものよりだいぶ安価な設定となっています。
「凄麺 茨城スタミナラーメン」完成
とろみのついた甘辛醤油味のスープに、太めでストレート形状のノンフライ麺と、キャベツ、カボチャ、白菜、ニラといった具の組み合わせ。
「凄麺」ブランドでは最も太い部類の麺が用いられており、実際お店で供される「茨城スタミナラーメン」も太いものが多いようです。
「凄麺」シリーズの特徴であるノンフライでコシのある麺は本格的で食べ応え十分。
スープはとろみのついたポークベースの醤油味で、強めの甘みに加えて玉ねぎなど野菜の旨み、ピリ辛程度の辛味がつけられています。
「茨城スタミナラーメン」の特徴を踏まえて甘みとピリ辛が特徴的ですが、先ほどの「カップスター」に比べると甘みは少し弱いでしょうか。
野菜の旨みや甘さがスープの主役で奥行きのある味を楽しめる一方で、肉系の存在やニンニクなどが入っていないためか、「カップスター」同様にスタミナ感には欠ける印象でした。
とろみは控えめ
スープにはとろみがついているものの、あんかけスープというほどのとろみはなく控えめ。
スープの力強さでは「カップスター」に分があるようです。
野菜がたくさん
具はキャベツ、カボチャ、白菜、ニラの組み合わせ。
スタミナラーメンなのにレバーはおろか肉系の具がまったく入っていないのは残念ですが、これは「レバーが苦手な人にも楽しんでもらいたい」という思いからなんだとか。
かわりに野菜はかなり充実しており、「茨城スタミナラーメン」では入っていることが多く、カップ麺では珍しいカボチャが入っていたのが驚き。
味も食感もきちんとカボチャです。
また、キャベツの他に白菜やニラが入っており、野菜の構成にはスタミナ感がありました。
特にニラが入っているとスタミナラーメンの雰囲気が出てきますね。
「茨城スタミナラーメン」を知る機会に
これまでカップ麺ではあまり着目されてこなかった「茨城スタミナラーメン」の商品が短期間で2品発売されましたが、「カップスター」と「凄麺」それぞれに特徴がありました。
「カップスター」は安価設定なので味の再現に限界はありますが、スープのとろみや甘みが強く、麺や具はある程度捨ててスープで重点的に「茨城スタミナラーメン」を再現しようとする意図が窺えます。
「凄麺」はスープのスタミナ感やとろみはあまり強くないものの、「凄麺」ならではのコシのある麺に加え、カボチャなど野菜の充実が特徴的。
今後さらにスタミナ要素を高めていってもらいたいですが、現状でも野菜のラーメンとしてはとても素晴らしかったです。
筆者もそうですが、今回のカップ麺が「茨城スタミナラーメン」を知る機会になった人も多いのではないでしょうか。
今後もカップ麺メーカーにはまだ見ぬ日本全国のご当地麺を再現し、私たちにその存在をどんどん教えて欲しいですね。
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