名古屋で開催された映画『白雪姫』(3月20日公開)のスペシャルトークイベントに登壇した女王役の月城かなと(C) 2025 Disney Enterprises ディズニー映画『白雪姫』(3月20日公開)のプレミアム吹替版で女王役を務める元宝塚のトップスター・月城かなとが18日、名古屋市内にある中日ビルで開催されたスペシャルトークイベントに登壇した。中日ビルには、過去に宝塚の公演を実施していた中日劇場があり、宝塚にもゆかりのある地でのイベントに、大勢のファンが駆けつけた。月城は、映画の見どころだけでなく、自身の“朝のルーティン”を明かすなど、ファンならずとも特別で心躍るイベントとなった。
【動画】映画『白雪姫』女王役・月城かなとのアフレコ映像 月城が演じた女王は、ディズニーヴィランズの中でも人気を誇る女王であり、外見の美しさと権力に執着し、国を恐怖と魔法の力で支配する邪悪な女王。白雪姫の“本当の美しさ”に嫉妬し、彼女の命を狙うという役どころだ。
昨年、宝塚歌劇団を退団したばかりの月城は、オーディションを経て、演技力と歌唱力をディズニー本社に認められての起用となった。「いつかは吹替のお仕事をしてみたいなっていう夢はあったんですけれど、まさかこんなに早くその夢がかなうとは思っていませんでしたし、それが子どもの頃から見ていたディズニーの作品にこうやって参加することができると決まった時は本当にうれしかったです。幅広い年代の方に楽しんでいただけるような吹替ができたら良いなと思いました」と喜びを語った。
女王については「子どもの頃にアニメーション版を観ていた時は怖いなとか、ちょっと不気味だなというイメージがあったんですけれど、今回実写化されたことによって、それぞれの登場人物の繊細な心の動きがより生き生きと描かれていて、女王にも感情移入していただきやすいんじゃないかと思います。女王が抱えているちょっとした焦りだったり、弱みみたいなものをより感じていただけるんじゃないかと思うので、ヴィランではありますけど、一番人間らしくちょっと愛らしいなと思っていただけるキャラクターになっているんじゃないかなと思います」と女王の魅力をアピール。
今回が初挑戦だった声だけでの演技については「自分の声にどれだけの感情が乗せられるかという挑戦でもありましたし、その場で女王役を演じるガル・ガドットさんと呼吸を合わせて日本語を当てていくという作業が一番難しかったです。でも吹替を経験させていただいたことで自分の中のお芝居についての考え方も、演技の幅も広まったんじゃないかなと思います」と語った。
本作のミュージカルシーンについては「女王の歌が『美しさがすべて』というタイトルなので客観的に見るとそこまで美しさに執着してしまう女王がなんかかわいらしくて、そこまでしなくてもあなた十分綺麗だよ!みたいな愛らしさも感じるような曲を歌わせていただいたんですけれど、歌う女王の気持ちとしては“美しさが全てだ!”と、朗々と歌わせていただきました」とコメント。
そして作品を通じて「皆さんもご存知の物語だと思うんですが、ぜひもう一度観ていただいて新たな目線から白雪姫の魅力を感じてほしいです」と語った。
劇中に出てくる“7人のこびと”の名前が書かれたカードを1枚引いて選んだカードに書かれた“7人のこびと”の名前にまつわる質問に答えるコーナーでは、「ねぼすけ」のカードを引きあて、「朝起きたら、コーヒーが好きなのでコーヒーを淹れてソファーに座るまでがルーティーンです。そこまではゆっくりしないと決めているんです」と、“朝のルーティーン”について明かした。
続いて「先生」のカードを引き、会場の観客に“教えてあげたいこと”について聞かれると、「女王から老婆に変身するミュージカルシーンがあるんですけど、老婆に変身した後に本当にちょっとだけ高笑いをしているんですよ。そのシーンが吹替の中でも一番上手にできたと思っているので、そこにぜひ注目していただきたいです。でも本当に一瞬なので絶対に聞き逃さないでくださいね!歌が終わっても高笑いまでが歌だと思って、聞いていただきたいと思います!」と会場に集まったファンにとっておきの見どころを伝授していた。
本作のテーマでもある“本当の美しさ”については、「映画を見ていても考えさせられる所ではあるんですけど、白雪姫の何が美しいかというと、白雪姫も女王も心の中に弱さがあるんですよ。ですが、その弱さを自覚して人の助けを借りて、ちゃんとその人たちの意見を受け入れて乗り越えていく強さがあるのが白雪姫の一番美しい所だなと今回映画を観て感じました」と、映画の見どころをからめて答えていた。
最後に月城は、「やはり誰しも弱い部分はあると思うんですけれど、そういう時に乗り越えられる力があるかどうかがその人の美しさだったり自信につながるかなと思うので、たくさんの方に観ていただいて、一歩踏み出すきっかけになれたらなと思いますし、落ち込んだ時にも自分自身の心の中にある強さを思いだしていただけるそんな映画になっているんじゃないかなと思っております」と、熱く語っていた。