カッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2025年WRC第3戦サファリ・ラリー・ケニア 3月19日(水)、2025年WRC世界ラリー選手権の第3戦『サファリ・ラリー・ケニア』のシェイクダウンが行われ、TOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)のカッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)がトップタイムをマークした。TGR-WRTのレギュラードライバーである勝田貴元/アーロン・ジョンストン組(トヨタGRヤリス・ラリー1)は、5番手タイムを記録している。
早くも3ラウンド目を迎えた2025年WRC。1月の開幕戦は伝統のモナコ・モンテカルロ、続く2月には雪の積もるスウェーデンを舞台に第2戦を戦い、そこから5週間を経て一行はアフリカのケニアに集結した。
迎えた第3戦サファリ・ラリーは、1953年の初開催から続く長い伝統を持つイベントだ。そしてサファリの路面は草原に広がるグラベル(未舗装路)がメインとなり、草に隠れる岩なども戦局を左右することが多いハードなラリーになる。さらに昨年からは、降水量の多い雨季にあたる3月開催に切り替わった。
事前のレッキでは起伏の激しい路面や水たまり、『フェシュフェシュ』と呼ばれる粉末状の砂などといったマシンの信頼性を要求する路面が多く確認された。こうして迎えた19日、イベント最初の確認走行となるシェイクダウンが現地時間10時01分より5.0kmの区間にて実施された。
晴れ渡るサバンナの真ん中で始まったシェイクダウンでは、ポイントリーダーのエルフィン・エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1)からアタックを行い、まずは4分40秒8をマーク。その後もアタックは順調に続き、最初のトップタイムはカッレ・ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1)が刻んだ4分34秒5となった。この時点での2番手は1.9秒差でオィット・タナック(ヒョンデi20 Nラリー1)、3番手は0.3秒差でアドリアン・フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1)だ。
またアタックを終えた際に各ドライバーは、公式インタビューに対して一切の返答を行わないそぶりを見せていた。これは、2月24日に選手らがWorld Rally Drivers Alliance(ワールド・ラリー・ドライバーズ・アライアンス/WoRDA)を新設し、FIA国際自動車連盟が選手の不適切発言に対して罰金を科した件に対して抗議を示した運動の一環であると見られる。
唯一インタビューに答えたヌービルは、「今週末は我々からの連絡はほとんどないだろう」と開口一番にコメント。「スウェーデンでのアドリアン(・フルモー)への罰金以来、FIAとの連絡が少なかったのは残念なことだ。最長ステージのフィニッシュ以外は、インタビュー時にコメントをしないことに全員一致で決めたんだ」と、選手間で取り決めたという意志を示した。
以降各選手は2、3回目のアタックを行い、ペースを上げる車両は少数にとどまったなかでティエリー・ヌービル(ヒョンデi20 Nラリー1)が2番手に浮上。総合ベストのロバンペラに続く位置につけ、開幕2戦でペースに苦しんでいた2台が上位につけるセッションとなった。3番手にはタナックがつけるトップ3となり、日本の勝田貴元は5番手タイムをマークしている。
開幕日となる明日20日(木)は、2本のスペシャルステージが予定されている。その総距離は計13.03kmとなり、1本目のスーパーSS『カサラニ』は現地時間13時05分(日本時間19時05分)より開始予定だ。
[オートスポーツweb 2025年03月19日]