「新NISAを始めたものの、株価が一気に下がって落ち着かない」
乱高下する最近の相場を見て、そう不安を感じている人も少なくないのではないか。
特に3月に入って以降、トランプ米大統領の関税引き上げ政策などにより、株価が急落する場面も見られた。
「投資だけで資産運用するのは心配という方は、今後は定期預金も活用してはいかがでしょうか。
長らく低金利が続いていた日本ですが、今年に入って日本銀行が政策金利を引き上げたことで、メガバンクやネット銀行も預金金利を上げ始めています」
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そうアドバイスするのは、1級ファイナンシャル・プランニング技能士で株式会社400Fオンラインアドバイザーの松井大輔さん。
定期預金とは、あらかじめ満期となる預入期間を決めて、まとまった額を一度に預ける金融商品のこと。預入期間も、数週間から数年までさまざまある。
大きく資産を増やすことは望めないものの、投資のように元本割れするリスクがないので安心だ。
「とくにネット銀行の定期預金は、メガバンクなどと比較して預金金利が高めになっています。1年間の預け入れでも、数万円の利息がつく商品もあるんです。うまく活用すれば、定期預金で賢くお金を増やせます」(松井さん、以下同)
ネット銀行は、対面の店舗を持たず、パソコンやスマホのアプリを通じて、すべての取引をネットで行う。入出金は、コンビニなどのATMで行うことができる。
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「投資のように元本割れしないまでも、ネット銀行が破綻したら預けたお金はどうなるの?」と心配な方もいるだろう。
しかし、次の点に注意をすれば問題はないという。
「もし倒産しても、定期預金や普通預金は、預金保険制度で保護されます。ただし、各金融機関で預金者1人につき1千万円まで(利息は破綻日まで)と保護される額が決まっているので、1千万円以上預ける場合は分散しましょう」
こうした基本を踏まえたうえで、松井さんに、定期預金を活用するうえでのポイントと、おすすめのネットバンク7行を聞いた。
「まず、病気など突発的な出来事に備えて半年分くらいの生活費は普通預金においておきましょう。
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そのうえで、10年先くらいまでのライフイベントを書き出してみて、その資金を使う時期が来るまで、定期預金に預けるのがポイントです」
たとえば、「5年後に家をリフォームする資金500万円」や、「3カ月後に行く旅行資金50万円」など、まず使途と予算を明確にして、その資金を定期預金に預けるというわけだ。
■500万円預けて5年で26万円の利息
仮に、「5年後に家をリフォームする資金500万円」など、まとまった金額を長期にわたって預けたい場合、どんな商品を選べばよいだろうか。
「大口の定期預金でおすすめなのは、オリックス銀行の『eダイレクト定期預金』です。上限額1千万円まで預け入れができ、5年間預けた場合、新規口座を開設した方限定で年金利が1.3%つきます」
新規口座を開設して500万円を預けたと仮定すると、満期となる5年後に受け取れる利息額は、26万6千684円(税引き後)にも(オリックス銀行のウェブサイト「eダイレクト定期預金」の利息シミュレーションで試算)。元本割れを気にせず、着実に増やせるのだ。
一方で、「3カ月後に行く旅行資金50万円」など、短期間で少額を預けるならどの商品がよいのか。
「3月現在において、短期の定期預金なら、SBI新生銀行の『スタートアップ円定期預金』や、auじぶん銀行の『デビュー応援定期預金』などがおすすめです。新規口座を開設すれば、どちらも3カ月間の預け入れで年金利が前者は1.5%、後者は1.2%と高いので、短期間でもそれなりの利息がつきます」
たとえば、SBI新生銀行の「スタートアップ円定期預金」の場合、年金利は1.5%だ。50万円預けた場合、満期までの3カ月間で受け取れる利息は1千495円(税引き後)になる計算だ(SBI新生銀行ウェブサイトの円定期預金 利息シミュレーションにて試算)。SBI証券との口座連携などをすれば最大3万1千円のキャッシュバックもある。
「新規口座を開設したり、給与の振込口座に設定するなどの条件をクリアすれば、数万円のキャッシュバックがある商品もあるので、うまく活用を」
あおぞら銀行の場合、普通預金の金利も年0.35%と高いほか、定期預金の利用者にはデビット機能付きキャッシュカードが発行され、利用に応じてキャッシュバックがある。東京スター銀行でも、口座開設や給与振込口座に指定するなどでキャッシュバックがあるほか、振込手数料やATM利用手数料が無料に。
「こうしたキャンペーンは時期によって変わるため、ご自身の希望に合った商品をチェックして、魅力的なキャンペーンがあれば早めに申し込むのがおすすめです」
そして、気軽に始められるという点では、なんといってもキャッシュレス決済でおなじみのPayPay銀行がイチオシだ。
「PayPay銀行の定期預金の魅力は、預入期間が1カ月から最長で10年と幅広いなかから選べることです。
また、スマホのアプリからPayPay銀行にログインすれば、定期預金の使途を入力できるので、“老後の資金”などと記しておけば、うっかり引き出して使ってしまうことも防げそうです」
最後に、定期預金を始めるにあたって、これだけは注意しよう。
「定期預金を中途解約すると、高金利が適用されなくなってしまいます。中途解約時に適用される金利は商品によって異なるので、あらかじめ預入期間や中途解約の条件をよく確認しておきましょう」
金利引き上げを味方につけて、安全・着実に資産を増やそう!
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