2005年（平成17年）12月8日に秋葉原で産声を上げたAKB48。前田敦子、高橋みなみ、小嶋陽菜、篠田麻里子、大島優子、指原莉乃ら数々のスターを生み出し、誰もが知る国民的アイドルグループとなった。
あれから十数年、元号は令和に変わり、また新たなスター候補生が続々と加入している。当時とは異なる状況で、彼女たちは何を思いAKB48になろうとしたのか？ どこを目指すのか？ フレッシュメンバーの魅力を深掘りインタビューでお届けする連載「なんで令和にAKB48？」。
第20回は埼玉県出身、18期研究生の迫由芽実（さこ・ゆめみ）。ゆるっとした雰囲気が魅力のメンバー。前編はAKB48に入るまで、人見知りだった子供時代や、オーディションの話などを語ってもらいました。
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■勉強以外だったら何でもできていたと思います！
――子供の頃はどんなコでしたか？
迫 すごい人見知りで、あいさつもできなかったぐらいでした。でもお母さんに「あいさつはちゃんとしないとダメだよ」って怒られて、できるようになりました。
あと、お母さんいわく「こだわりがあるコ」だったらしいです。特に服へのこだわりがすごくて、お気に入りの黄色いワンピースがあったのですが、それを何回も着たり、可愛い服がないと、家から出たくなくなって遊ぶのを止めたりしていたそうです（笑）。
――それはすごいですね。姉弟は？
迫 お姉ちゃんが3つ上にいます。すごい仲が良くて、普段も一緒にお出かけしたり、勝手に服を借りて怒られたり（笑）。私のSNSも見てくれていて、AKB48の衣装を着た写真を送ると「可愛い」って返してくれます。
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――昔からそんな感じ？
迫 そうですね。好きなものも一緒なんです。アイドルもお姉ちゃんに勧められて見るようになったし、お姉ちゃんがダンスやっていたから、私も始めました。
――ダンスはいつぐらいから？
迫 小学1年生のときに始めて、ちょっとだけやりました。あと体操が1年生から6年生まで、他にも水泳やピアノ、習字、塾とかも。
――それは全部お姉ちゃんがやっていたから？
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迫 水泳は泳げないのがイヤだなと思って始めました。習字は字をきれいに書きたいなって。ピアノは憧れがあったので、親にお願いして始めました。
――やりたいことを自分から言えるタイプなんですね。
迫 母や身近な人には言えるんですけど、学校だと苦手でした。授業は積極的に手を上げるタイプじゃなくて、なるべくひっそり、誰にも見つかりたくなかったです。
――先生から当てられたらどうするの？
迫 わからないときは沈黙していました......。勉強が苦手だったので、手は上げたくなくて。でも、勉強以外だったら本当に何でもできていたと思います。
――すごい自信が！
迫 水泳ができて、習字やピアノ、ダンスもちょっと踊れるし、体力テストはA判定だったので！
――それだけできれば勉強だって。
迫 確かに（笑）。記憶するのは得意なんですけどね。数学とかって未知の領域に入るじゃないですか。xとかyとか、フレミングとか、そうなるとついて行けなくて。
――数学と理科が混ざってますよ！ じゃあ得意科目は？
迫 音楽とか芸術系です。クラスで楽器をやることになって、木琴の希望者が多かったんですけど、私がオーディションに合格しました。
――向いているんですかね。ちなみに学級委員とかそういうのは？
迫 やっていると思いますか？
――すみません......。今までの流れだと。
迫 そうですね（笑）。低学年の時は人前に立つのが本当に苦手でしたけど、高学年になってから殻を破って、積極的に出るようになりました。
――小さいころ憧れていたものは？
迫 小さいときはフィギュアスケート選手に憧れていました。実際に習ったりはしてないんですけど......。あとはプリンセスとか、シナモンになりたいと思っていました。
――サンリオのキャラだ。
迫 あとは女優さんになりたくて、小学生のころはプロダクションに入って、レッスンを受けていました。
オーディションもたくさん受けましたけど、その頃はまだ人見知りだったので大人の圧に負けてしまって（笑）。オーディションに来るようなコって、みんなハキハキしゃべるんですよ。
初めて行ったオーディションは今でも覚えていて、「今、あなたは動物園にいます。動物がいると思ってリアクションしてください」というお題があって、一緒に受けていたコがすぐに「ゾウさんめっちゃすごーい！」とかやり始めて慌てました。結局、半年ぐらい続けて、向いていないと思って辞めました。
■こう見えて中学校ではバレーボール部の部長です
――部活とかはやっていたんですか？
迫 中学でバレーボール部に入りました。でも身長は低くて、クラスでも前から5番目とかでした。
――じゃあ何でバレーボール部に？
迫 運動部には入りたいけど、日に焼けたくなくて。たまたまですね。
――上手かったんですか？
迫 普通でした。でも同級生が先にレギュラー入りしたのがショックで、どうやったら入れるんだろうと。そこで、部で1番大きい声を出して、積極的にボール拾いをしていたら、試合に出られるようになりました。そういう部分ってちゃんと見られているんだなと。
――ふわふわしているイメージがあって、声とかはあまり出さないと思ってました。
迫 実は部長もやっていたんですよ！
――本当ですか!?
迫 うまいコは他にいたんですけど、そのコを差し置いて、先生から指名されました。部活以外では大人しかったので、同級生には「何でなったの？」って驚かれました。部をまとめられていた記憶は全然ないんですけど、みんなを明るくする役はできていたかなと！
――驚きました。
迫 メンバーやファンの方からも驚かれます（笑）。
――高校はどうだったんですか？
迫 そのころから、一度は諦めた芸能の世界にまた挑戦したいなと思い始めました。芸能コースのある学校に行こうか考えたんですけど、商業高校を選びました。パソコンにも興味があったので、まずはそっちかなと。
――資格も持っているんですか？
迫 すごくはないんですけど、パソコン検定とか電卓検定は持っています。
――ここまでの話だとおバカキャラだと思っていたから意外です！
迫 でも、学校はそれほど好きになれなくて......。友達関係もうまく行ってなくて、変えるなら今しかないと思って、高2の夏に転校したんです。新しい高校の面接では「アイドルになるために転校しました」と言っていました（笑）。
――すごい覚悟ですね。当時アイドルに興味はあったの？
迫 お姉ちゃんの影響でハマって、初めてライブに行ったのはTWICEさんのさいたまスーパーアリーナでした。演出がすごかったのと、会えたのがうれしくて号泣したのを今でも鮮明に覚えています。
「アイドルって素敵だな」と初めて思ったのはそのときでした。高校生になっていろんなアイドルを見るようになりました。ノイミーさん（≠ME）、夜光性アミューズさんとか。
ちょうど転校したぐらいのタイミングで、AKB48のオーディションがあったので、これにかけようと思って受けました。小さい頃に受けたオーディションの経験から、「とにかくインパクトが残ったほうがいいな」と考えて、グループ面接ではまわりに圧をかけようと『進撃の巨人』の奇行種のマネをしました。
――それはインパクトがありますね（笑）。
迫 審査員の方が笑ってくれて、「よかったー」って。そしたら他のコもブリッジとか、いろんな特技を披露し始めて。
――一発芸大会に!! 以前、同期の秋山由奈さんをインタビューした際に「マジメなスピーチを考えていたら、まわりが芸を披露するから焦った」という話をしていました。そのきっかけを作ったのは迫さんだったのかもしれないですね。
迫 それが良かったのかはわからないですが、通過できました。続く4次審査は『最強ツインテール』を歌ったんですけど、審査する方も受験生もたくさんいる中で歌うみたいな。ブルブル震えて全然歌えなかったし、質問もうまく受け答えできず、泣いてしまったのですが、通過できたんです！
最終審査は『言い訳Maybe』を踊ったんですけど、そのときはなぜか自信あふれる感じで、はっちゃけてできて、合格することができました。
――受かってどうでしたか？
迫 もう現実味がなさすぎて、驚くことしかできなかったです。お母さんも「えっ夢!?」って。私のやることをずっと応援してくれていたお姉ちゃんからは盛大に祝ってもらいました。（後編に続く）
【連載「なんで令和にAKB48？」は木曜日更新。今、楽しいことや、今後の夢を語る後編は3月27日公開！】
●AKB48
2005年（平成17年）12月8日、秋葉原のAKB48劇場で1期生お披露目。
2022年（令和4年）5月4日に17期生、2023年4月9日に18期生、2024年3月17日に19期生、12月20日に20期生がデビュー。
65枚目シングル『まさかのConfession』が4月2日に発売予定！ 最新情報は公式ホームページをチェック
●迫由芽実（さこ・ゆめみ）
2006年2月5日生まれ 埼玉県出身
身長162cm
Nickname＝ゆめみん
公式X【@yumemi_sako0205】
公式Instagram【@yumemi_sako0205】
取材・文／関根弘康 撮影／篠田直人
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