2025年F1第1戦オーストラリアGP フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) アストンマーティンのフェルナンド・アロンソは、オーストラリアでの実りある週末によって2025年のF1シーズンをスタートさせたいと望んでいたが、それどころか砂利に足を取られてバリアに衝突するという悪夢が起きてしまった。アロンソはレース後、アルバート・パーク・サーキットのターン6について懸念を示した。
ターン6は、週末を通してコース上に砂利を飛ばし、最終的にレース中盤にアロンソを襲った場所だ。土曜日の予選では、セッション中にフロアにダメージを受けたため12番手と順位が低かったアロンソは、レースでは安定して10番手を走行していたが、34周目にターン6の出口で突然AMR25のコントロールを失い、バリアに衝突した。
2度の世界チャンピオンであるアロンソにとって、スピードとオーバーテイクを促進するために数年前幅が広げられて改良されたこのコーナーは、いつ発動してもおかしくない罠だった。
「事故を検証する必要があるが、現時点では理解するのは難しい」と、アロンソがレース後にメディアに語ったと、F1記者のアダム・クーパーが報じた。
「コースを外れたり、これまでのどのラップとも違うレーシングラインにマシンを置いたりはしなかったと思う。つまりリヤタイヤを置いた瞬間に多くの砂利に出くわし、マシンのコントロールを失ってしまった。だから、ターン6の設計はおそらく最善なものではないだろう。砂利をコースから遠ざけるのではなく、コースに持ち込むことになるからだ」
「でも、それは誰にとっても同じだった。そして今日はミスをしたが、5日後にまた(次のレースに)挑戦することになる」
■安全性への懸念
問題のあるコーナーに巻き込まれたドライバーはアロンソだけではなかった。彼は安全性を向上させるために再考する必要があると強調した。
「そうだね、そう考えている。損傷したマシンが多かったと思う。予選では(アンドレア・キミ・)アントネッリがあそこでフロアを壊したと思う」とアロンソは語った。
「砂利がコースに流れ込むようなコーナーは絶対にあってはならない。ドライバーやマーシャルなど、誰にとっても危険だからだ。それが最優先事項だ。だから、ターン6ではちょっとした方法が必要になると思う」
アロンソは、メルボルンの半ストリートサーキットは常に課題を抱えているが、レーシングラインに広がる砂利を防ぐことは可能であり、受け入れがたいリスクだと主張した。
「セミストリートサーキットなので、メルボルンは常に難しいものになる。マシンが動き出すとそれで終わりで、衝突してしまうので、手の施しようがないと感じる」
「そして僕のケースはまた少し違っている。白線ではなかったからだ。コースは完全に乾いていてドライラインだった。実際、僕のクラッシュの直後に、他のドライバーたちはドライタイヤに交換した」
「つまりそれはただの砂利で、コースには大量の砂利が入って来ていた。それには驚かされた」
■一貫性と適切なセットアップの追求
アロンソが腹を立てる一方で、チームメイトのランス・ストロールは静かにアストンマーティンの週末を好転させた。13番手からスタートしたストロールは、タイヤ戦略を巧みに操り、他のドライバーがウエットとドライの変化に苦しむなか、6位まで躍進した。
AMR25の潜在能力をぜひとも確かめたいチームにとって、それは命綱だった。アロンソは、自身の苦難にもかかわらず称賛した。
「週末全体としてはよかったし、かなりポジティブだった」とアロンソはマシンのパフォーマンスについて語った。
「僕は戦いのなかにいたし、(ピエール・)ガスリーより少し速かったかもしれないが、ドライのレーシングラインは1本しかなくて、その外側がウエットだったため、オーバーテイクするのは難しかった。数周の間、アントネッリを後ろに抑えていた」
「取り組むべき弱点がいくつかあるが、同時に、他のすべてのマシンと争えることもわかった。順調な週末にすれば、多くのポイントを獲得できるだろう」
アストンマーティンはAMR25の性能評価を続けているが、アロンソは、特にフリー走行と予選の間でパフォーマンスに一貫性がなかったことから、セットアップの実験が重要だと強調した。
「セットアップも少し関係すると思う。僕たちはここで実験を続け、FP3のパフォーマンスと昨日の予選のパフォーマンスの違いを確認した。同じマシンで同じパッケージだったが、1台は非常に競争力があり、もう1台はそれほど競争力がなかった。だから、セットアップの調査をもう少し続けていく必要がある」
「そして中国GPはスプリントなので、それほど実験はしないだろう。でも、今年はすべてのチームがパッケージについて学んでいる段階で、僕たちも例外ではないと思う」
[オートスポーツweb 2025年03月21日]