「収入が少ない」「公共料金の滞納」外国人の相談多く 食料品や日用品の「無料配布」で浮かび上がった問題とは?

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2025年03月21日 07:10  まいどなニュース

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食品や日用品の無償提供おこなった久御山町島田・町社会福祉協議会

 長引く物価高騰が家計を圧迫する中、京都府久御山町社会福祉協議会が食料品や日用品の無償配布に取り組んだ。生活困窮者からの聞き取りでは、収入の少なさに苦しむ実態のほか、外国人住民からの相談の多さが浮かび上がった。

【写真】食品や日用品の提供を受けるベトナム人の母子

 2024年の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は前年比2・5%増で、3年連続で2%超の上昇だった。物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金の速報値は、従業員5人以上の事業所で同比0・2%減と3年連続のマイナス。物価高に賃上げが追いつかない状況が続いている。

 町社協は12〜1月に計4日、物品配布と生活相談会を行った。町内全戸にビラを配って生活困窮者の利用を募り、81人(うち37人が外国人)が訪れた。

 生活の困りごとを尋ねると、大半が「収入が少ない」(54人)と回答。「年金や公的手当以外の収入が少ない」(15人)、「税金、公共料金の滞納」(8人)、「高齢、障害、病気で就労が困難」(同)と続いた。

 同町は人口に占める外国人の割合が府内最高。工場などで働くベトナム人労働者が増えており、食料配布に訪れた人も多かった。

 低賃金に加え、近年続く円安が生活を苦しめている面もあるようだ。相談会で通訳ボランティアをしていたグエン・ティ・タインさん(33)は「母国で抱えた借金の返済が大変になり、みんな困っている」と話した。ベトナムの送り出し機関に手数料を払うために負う借金は、以前は日本で7カ月働けば返済できたが、今は1年かかるという。

 物価高騰対策としての食品配布は、町社協としては昨年度に続いて2回目。清本浩司事務局長は「引き続き支援を行う必要がある。実施方法や頻度を考え直したい」と述べた。

 配布した食料品は府の補助金や、フードロス削減の一環で町に寄せられた品などを活用して提供した。

 日用品は、町社協のロビーに設けた回収箱に集まったものを配布した。平日午前8時半〜午後5時15分、家庭で未使用のまま余っている品を募っている。

(まいどなニュース/京都新聞)

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