F1第2戦木曜会見:初開催の中国GPに出場したアロンソ「今は2004年よりも速いと感じる」モチベーションは衰えず

0

2025年03月21日 07:20  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

2025年F1第2戦中国GP FIA会見 フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)
 2025年F1第2戦中国GPドライバー会見に登場したのは、開幕戦の勝者ランド・ノリス(マクラーレン)、5位に入ったアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)、クラッシュでリタイアを喫したフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)、そしてオリバー・ベアマン(ハース)、ガブリエル・ボルトレート(キック・ザウバー)、アイザック・ハジャー(レーシングブルズ)の3人のルーキーだった。

 まずはこの7月に44歳になるアロンソに、現役最年長ドライバーであることへの質問が飛んだ。

Q:フェルナンド、今季のF1にはあなたがデビューしたときにはまだ生まれていなかったドライバーが7人もいます。彼らとレースをすることで、感じるのは自らの老いですか? あるいは感謝の気持ちでしょうか?

アロンソ:おそらく両方だね。大好きなレースをこれだけ続けてこれたのは、稀な特権というべきだ。さまざまな時代を経験する幸運に恵まれ、世界中を旅して、今も僕には戦い続ける十分なモチベーションがある。さらに重要なのは、自分にまだ競争力があるということだ。もしある日、自分が十分に速くない、あるいはペースに苦しんでいると感じたら、もう楽しめないと真っ先に言うよ。僕はものすごく競争心が強く、それがここまでやってこれた最大の要因だ。2001年にF1にデビューし、2004年には初の中国GPに出場した。そして今、2025年、僕はまだここにいる。そして2004年と同じくらい速いと実感している。いや、今の方が速い。とにかく、まだここにいられることを光栄に思っているよ。

 まだまだやる気十分のアロンソ。ちなみにアロンソのF1デビュー時に生まれていなかった7人とは、今季フル参戦する6人のルーキーとオスカー・ピアストリ(マクラーレン)である。

 さらにアロンソは、ルーキーのひとりであるボルトレートのマネージャーでもある。現役F1ドライバーが、ライバルでもある他チームのドライバーのマネージャーを務めるというのは、かなり稀有なことだ。

Q:あなたたちふたりはドライバーとマネージャーという関係であると同時に、ライバル同士でもあります。もしコース上でバトルすることになったら、どうするか話し合いましたか?

アロンソ:その場合は、必ず僕が前に出ることになっている(笑)。まあ冗談はさておき、彼の成長を助ける作業は、基本的に去年までと変わらない。ドライバーとマネージャーであることが、お互いのパフォーマンスに影響を与えるとは思わないよ。

ボルトレート:契約書では、予選ではフェルナンドに必ずスリップストリームを提供しなければならないことになってるよ(笑)。フェルナンドは本当に多くのことを僕に教えてくれている。予選、レースで最高の結果を出すために、その前の木曜日と金曜日に何をすべきか、とかね。オーストラリアではお互いに戦う機会がなかったけど、中国ではバトルができればいいなと思っているよ。

 予選では新人のなかで最速だったハジャー。しかしレースはフォーメーションラップでクラッシュを喫し、ヘルメットを被ったまま号泣を抑えられなかった。

Q:あなたのリタイアに、私たちは心から同情しました。でもただひとりだけ、あなたが泣き崩れたことについて「恥ずかしい」と言った人がいます。ヘルムート・マルコ博士のそんなコメントを、どう思いましたか?

ハジャー:僕自身、恥ずかしかったからね。ヘルムートとは、レースの翌日に電話で話したよ。彼とは長い付き合いだし、彼のやり方は知っている。いずれにしてもあの発言はドイツ語だったと思う。それが英語では、別のニュアンスに解釈されたんだと思う。実際のインタビュー映像を見ていないので、なんとも言えないけどね。ただ多くのファンや、ハミルトン親子から受けた励ましは、まったく予想していなかったし、本当に心強いものだった。

 ハミルトン父子は、リタイア直後に父アンソニーが付き添ってくれた他に、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)もレース後にメッセージを送ってくれたとのことだ。


■歴代ドライバーも認める“マクラーレンのドライブの難しさ”

 開幕戦ではポールポジション、レースでの優勝、最速ラップ獲得と完璧な週末を送ったノリス。しかし本人は、現状に満足していない。

Q:さらに進化するために、具体的に改善すべき点はなんですか?

ノリス:僕自身、ドライバーとしてまだまだ改善点は多い。一方でマシンに関しては、うまく機能はしているけど、運転自体は難しい。特定の条件、たとえば強い雨の降っている条件では、マックス(・フェルスタッペン/レッドブル)は僕たちと同じくらい速かった。もう少し予測しやすい挙動の方がいいね。

Q:去年のマシンより運転は難しいですか? あるいは特性は同じで、それが少し強調されているということですか?

ノリス:いくつかの特徴は同じだと思う。でも僕自身の運転スタイルには、まだまったく合っていない。それでも速く走らせないといけない。それが僕の仕事だからね。確かにマシン特性としては、去年と似ている。でもそのうちのいくつかは好きではないし、攻撃的な走り方にも合わない。いずれにしてもマシン特性は毎年変わっていく。なので毎年ドライビングスタイルを変える必要がある。今年のマシンは、数年前のマクラーレンとは明らかに大きく違うんだ。僕はマクラーレンしか運転したことがないけど、カルロス(・サインツ/フェラーリ)もダニエル(・リカルド)も、マクラーレンの運転がいかに難しいか、奇妙だったかとよく言っていたね。でも僕にとって重要なのは、勝てるだけの速さがあるかということだ。それさえあれば、どんなマシンでも運転する。与えられたマシンを運転するだけで満足だよ。

 マシン挙動に関して、特に具体的に言及したわけではない。しかしマクラーレンの歴代マシンは「運転が難しく、奇妙」だと語るノリス。それでも自分はそれをしっかり運転し、勝利する。そんなノリスの強い自負が感じられた発言だった。

[オートスポーツweb 2025年03月21日]

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定