
(左から)板野則弘さん、笹川友里
岡山県倉敷市生まれの板野さん。1989年に三菱化成(現:三菱ケミカル)株式会社に入社。1996年にアメリカ・シリコンバレー駐在を経験し、以降は情報システム部にて日本の化学業界におけるeビジネスの推進を担います。2021年に三菱マテリアル株式会社CIOに就任し、2024年より三菱マテリアルITソリューションズ代表取締役社長を兼任しています。
◆日本におけるDXで大事なことは?
今回は、笹川が「日本がデジタル先進国になっていくためにはどのように進めていくのがいいと思いますか?」と尋ねると、板野さんは「DXの目的って2つあると思います。1つは“効率化・自動化をもたらすデジタル化”。これが圧倒的に多いですし(デジタル化することで)業務は劇的に変化するので、ここは徹底的にやらないといけない」と話します。
一方、2つ目には“可視化”と挙げ、「ここが日本のお家芸になるのではないかと思うのですが、DXとITの違いは何かというと“いかに新しいものを創造するか”だと思っています。アナログ時代に“気付きの種”が我々の前にいっぱい転がっていましたが、徹底的にデジタル化を推進することで、それが一気に可視化されて、それを見た一人ひとりの想像力を発揮させるのがDXだと思うのです。この一人ひとりは誰かというと全従業員で、つまり、誰でもチャンスがあるのです。これができる人が何人いるかが会社の競争力に大きな影響を与えると思います」と持論を展開。
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また、日本は先進国のなかで生産性が低いと言われていますが、職種別に見ると製造業はそれほど悪くないと言い、「製造業がなぜ頑張れているかというと、テクノロジーと人とがうまく組み合わさっているから。日本人はITやデジタルの使い方がうまいんですよ」と強調します。
◆日本が目指すべきところは?
続いて、今後の私たちのライフスタイルについて聞いてみると「まず大前提として、“すべてのテクノロジーは人々を幸せにするもの”というスタンスは絶対に崩してはいけない」と板野さん。
そのうえで、「これまで、新しいテクノロジーが実装されるたびに業務の効率化が飛躍的に上がっていきましたが、そのぶん1人あたりの仕事量が増えたので、従業員の感覚として“仕事が楽になった”と言う人はほとんどいないと思います。今後はテクノロジーの上手な活用で仕事を早く済ませて、自分の時間や家族の時間を創出することを目指す。“ワーク・ライフ・バランス”ではなく、“ワーク・イン・ライフ”で本物のウェルビーイングを実践できたら一番いいと思っています」と語ります。
そして最後に、板野さんがイメージする“近未来の風景”を尋ねてみると、「今、我々が試されていることが1つあると思うのです。それは、地球環境を守りながら“あのときからビジネスが始まったよね”と言われるかどうか。私はここに日本が果たすべきポイントがあると思っています」と言及。
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3月15日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2025年3月23日(日) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
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