最古の仮面を国宝に=太安万侶墓誌も―文化審答申

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2025年03月22日 07:31  時事通信社

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木造伎楽面の呉公=国立文化財機構所蔵品統合検索システム(ColBase)より
 文化審議会(島谷弘幸会長)は21日、法隆寺に伝わった日本最古の仮面「伎楽面」や、古事記を編さんした太安万侶の墓誌など美術工芸品4件を国宝に指定するよう、文部科学相に答申した。重要文化財には琉球王国に仕えた士族の家系図「琉球家譜」など42件の指定を求めた。近く答申通り告示され、美術工芸品の重要文化財は1万953件(うち国宝916件)となる。

 伎楽面は、中国から朝鮮半島を通じて伝来した音楽劇で使われた仮面。飛鳥〜奈良時代に作られた木製と漆製の計31面で、世界の仮面文化史の中でも質量ともに極めて価値が高いとされた。能面などを含む仮面の中で初の国宝となる。

 太安万侶の墓誌は、1979年に奈良市で発見された墓から出土。薄い銅板に名前や位階、居住地などが41文字で刻まれた。古事記などの記載と一致しており、編さん者が実在したことを証明する一級資料と評価された。

 琉球家譜は、沖縄県と那覇市が保管する計70冊と関連文書など。家ごとに2部編さんされ、王府に納められた家譜は沖縄戦で失われたが、各家で大切に守り伝えられた。琉球史の研究上、貴重とされた。

 また、建築家丹下健三の代表作の一つとされる東京カテドラル聖マリア大聖堂(東京都文京区)など建造物135件を登録有形文化財に登録することも求めた。 

太安万侶銅板墓誌(奈良県立橿原考古学研究所提供)
太安万侶銅板墓誌(奈良県立橿原考古学研究所提供)


琉球家譜(那覇市歴史博物館提供)
琉球家譜(那覇市歴史博物館提供)

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